「平成30年7月豪雨」で、50人を超える死者が出た岡山県倉敷市真備町。高梁(たかはし)川水系の高梁川の支流である小田川などの決壊によって被害が拡大した。被災直後から決壊の要因として専門家が指摘するのが、「バックウオーター現象」だ。7月18日の土木学会水工学委員会の現地調査などから、小田川の支流でも同様の現象が生じたことが明らかになってきた。

 夏の台風シーズンを前に、「平成30年7月豪雨」で決壊した堤防の復旧が急ピッチで進む。岡山県倉敷市真備町の小田川では、決壊規模が大きかった左岸破堤部(延長100m)で、7月15日に堤防の締め切り盛り土が、21日に堤防の住宅地側に鋼矢板による二重締め切りの補強が完了した。豪雨災害から2週間で決壊箇所の緊急復旧を終えた。

小田川左岸の破堤箇所を上流側から撮影。高梁川との合流部から3.4km上流。7月15日に堤防の締め切り盛り土の施工が完了した(写真:日経コンストラクション)
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小田川左岸の破堤部を盛り土で復旧した場所から住宅地側を見る。二重締め切りで堤防を補強していた(写真:日経コンストラクション)
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 記者が現地を訪れた7月18日には、小田川の支流である高馬川でも復旧作業が続いていた。コンクリート3面張りの高馬川は、小田川との合流部付近で右岸側が決壊。左岸側も一部崩れた。

 同日に現地に入った土木学会水工学委員会の調査団長である岡山大学大学院の前野詩朗教授は、「高馬川の右岸がまず決壊。その水の勢いで川底の地盤が吸い出されるとともに底版コンクリートが右岸側に移動し、それにつられて左岸側のコンクリートも引っ張られたのだろう」と推測する。

小田川との合流地点から見た高馬川の決壊現場。写真左が右岸で、右が左岸。左岸堤防の奥に見えるのは二重締め切りの鋼矢板(写真:日経コンストラクション)
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