西日本を中心に襲った記録的な豪雨は、各地で大規模な河川氾濫や土砂災害など甚大な被害をもたらした。警察庁の発表によると、7月12日午後1時45分時点で確認された死者は14府県で200人に達した。広島、岡山、愛媛の3県が特に多い。行方不明者は4県で21人。死者数は平成の豪雨災害で最悪だ。気象庁は、6月28日以降の台風7号や梅雨前線の影響によって全国的に広い範囲で発生した一連の豪雨について「平成30年7月豪雨」と命名した。

水が引いた後の倉敷市真備町地区。流出した建物の屋根が見える。流出を免れた建物の屋根には、泥水の跡が残る。井原鉄道井原線・吉備真備駅付近で、小田川の堤防が決壊した場所に近い。7月11日撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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 河川の氾濫などによる浸水被害が各地で相次いだ。岡山県倉敷市真備町地区では、7月7日に高梁川の支流、小田川などの堤防が決壊し、市街地約1200ヘクタールが水没。一時は1000人以上が孤立する事態に陥った。国土地理院の推定では、浸水の深さは最大4.8m。国土交通省は7月8日からポンプ車による排水作業を開始、7月11日までに宅地や生活道路の浸水はおおむね解消した。

小田川の堤防決壊現場。復旧工事が進められていた(写真:日経アーキテクチュア)
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 岡山県災害対策本部の7月12日午後8時時点の集計によると、真備町地区で判明した死者は50人、建物の浸水被害は4200棟程度。年齢が判明した死者37人のうち、70歳以上の高齢者が29人と大半を占めた。

 水が引いた真備町地区では濁流の爪痕が至る所で残り、外壁の損傷、基礎の洗掘といった建物被害が見られた。流出した建物もある。被災家屋の片づけが進むなか、道路脇や空き地には住民が運び込んだ家具や畳、家電、生ごみなどが山積みになった。

倉敷市真備町地区の住宅被害。建物が流出し、基礎だけが残されていた(写真:日経アーキテクチュア)
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倉敷市真備町地区の住宅被害。基礎下の土砂が濁流によって削り取られ、支えを失った建物が弓なりに反っていた(写真:日経アーキテクチュア)
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倉敷市真備町地区では、道路脇などに、泥水につかった家具や家電、生ごみなどが山積みにされていた。豪雨の被災地では、大量に排出されたごみの処理問題が深刻化。周辺環境の衛生面についても懸念されている。7月11日撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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倉敷市真備町地区。車が通ると乾いた泥が砂ぼこりとなって舞い上がる。信号機がつかない状況で、交通渋滞が深刻化している(写真:日経アーキテクチュア)
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倉敷市役所真備支所では給水装置が置かれて被災住民への給水活動が行われていた(写真:日経アーキテクチュア)
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