2018年7月の西日本豪雨で土砂崩落に巻き込まれた高知自動車道の立川(たぢかわ)橋の復旧工事で、新しい再発防止策が取り入れられている。斜面の途中に設置した構造物で崩落する土砂の向きを変えて、橋への衝突を防ぐ「流向制御工」だ。

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斜面崩壊部で復旧が進む。新しく架け直した立川橋から見上げた。2019年4月25日に現地を訪れた際は、斜面上部の水抜きボーリングが終わって、コンクリートが一部吹き付けられていた。斜面途中に見える複数の灰色のH形鋼が、流向制御工の一部(写真:日経コンストラクション)
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 現在、崩壊した斜面では、不安定な土砂の撤去や法面の吹き付けなどで、安定を図っている。ただし、崩壊した斜面の上や横が、崩れる可能性がないわけではない。

 「土砂が流れ出た場合、途中で向きを変えて、橋脚間をくぐり抜けるように誘導する構造物を建設している」。西日本高速道路会社四国支社建設事業部の久保井泰博調査役は、こう説明する。

不安定な土砂の撤去後に、法面吹き付けや法枠設置、水抜きボーリングなどを実施して斜面の安定化を図る。高知県が西日本高速道路会社に、治山工事を委託契約する際に作成した計画(資料:高知県)
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 流向制御工には、高速道路の法面でよく見かける落石防護用の資材を使う。H形鋼を一定間隔で地盤に差し込み、それらの間には、リング状の鋼材が連なる強靭ワイヤネットを設置。アンカーで補強する。

 「壁状の構造物にすると、崩落する土砂の衝撃で壁が飛んでくる可能性がある。水は抜けてもいいが、大きな土砂がうまく流れるようにするには、H形鋼とネットの組み合わせが最適だった」(久保井調査役)。橋の復旧が終わる夏までに完成させる予定だ。

流向制御工の役割イメージ。写真中央部に見える仮設の土砂よけは、開通前に撤去する。西日本高速道路会社への取材を基に日経コンストラクションが作成。2019年4月25日に撮影(写真:日経コンストラクション)
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斜面から見下ろした立川橋。手前に見えるのが流向制御工の一部となるH形鋼。完成段階ではH形鋼を溶接でさらに継ぎ足して、もう少し高くなる予定。強靭ワイヤネットの設置前(写真:日経コンストラクション)
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