管理敷地外から崩落した土砂が、高速道路の橋梁を押し流す――。2018年7月の西日本豪雨で、高知自動車道の立川(たぢかわ)橋が前代未聞の被害を受けてから、はや10カ月がたつ。現場では19年夏までの開通を目指して、着々と復旧工事が進んでいる。19年4月には新たな橋桁の架設を完了した。

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左は被災直後の2018年7月7日に撮影した現場付近。3径間連続PRC(プレストレスト鉄筋コンクリート)桁が流された。右は19年4月6日時点。流失した立川橋の架設が完了して、斜面の崩落防止対策も並行して進む(写真:西日本高速道路会社)
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トンネルの手前が立川橋。高知県大豊町を走る高知自動車道新宮インターチェンジ(IC)―大豊IC間の山間部にある。19年4月25日に撮影(写真:日経コンストラクション)
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 新しく架け替えた橋には、SCBR工法によるプレテンション方式PC(プレストレスト・コンクリート)連続桁を採用している。西日本高速道路会社とオリエンタル白石が、共同で特許を保有している工法だ。1径間当たり、プレテンション方式のプレキャスト桁を13本並べ、橋脚の支点上でプレキャストの横梁を介して連結する。

 「支承を横梁でいったん受けることで、沓(しゅう)の位置をそのまま変えなくてよい点がSCBR工法のメリットだ」。立川橋の復旧工事を請け負う、鹿島の高知自動車道立川橋他復旧工事事務所の伊藤祐之所長はこう話す。

 流失した立川橋は、3径間連続のPRC(プレストレスト鉄筋コンクリート)桁形式のため、橋脚の上では1列の沓で支持していた。桁の連結部に横梁を配置するSCBR工法も同様に、架設時・連結後ともに1列の沓で済む。一般的なPC連結桁形式を採用していれば、単純桁を設置した後に連結しなければならないため、2列の沓が必要だった。

SCBR工法のイメージ(資料:オリエンタル白石)
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 「18年11月に復旧方針のゴーサインが出てから、工場製作に要した期間は2カ月程度。現場では19年3月から約1カ月で、架設を終えた」(鹿島の伊藤所長)。

鹿島の高知自動車道立川橋他復旧工事事務所の伊藤祐之所長。架設済みの立川橋の上で撮影した(写真:日経コンストラクション)
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