人の生活に欠かせない時刻。コンピュータやネットワーク機器にも重要な存在だ。時刻がずれているとログオンを拒否されたりエラーが発生したりと大きな問題になりかねない。そこで本特集では、インターネットの「時刻」について解説する。

 インターネットをはじめとするIPネットワークの世界で、時刻合わせのために広く使われているプロトコルがNTP(Network Time Protocol)だ。WindowsやLinuxなど、ほとんどのOSに標準機能として搭載されており、インストールされた直後からNTPで自動的に時刻の同期を始める。ほぼすべてのネットワーク機器にも、標準で搭載されている機能だ。

階層構造で時刻を配布

 NTPの基本的なアーキテクチャは階層構造だ。

NTPのアーキテクチャー
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 NTPの通信はクライアントサーバー型である。時刻を要求するコンピュータ(クライアント)から、必要なときにNTPサーバーに時刻合わせの要求を送る。するとNTPサーバーが時刻に関する応答を返す。その応答を基にNTPクライアントが自分の時刻を調整する。サーバーとクライアントのどちら側も、通信にはUDPの123番ポートを使う。

 NTPの階層はStratum(ストレイタム)と呼ぶ。標準時を正確に配信する原子時計などが最上位のStratum 0に位置する。Stratum 0から時刻を受け取って配信するNTPサーバーがStratum 1、Stratum 1から時刻を受信するNTPサーバーがStratum 2になる。上位のサーバーから下位のサーバーに順に時刻を伝えることで、全体の時計をそろえるという考え方だ。

 日本国内では、日本標準時を生成している情報通信研究機構(NICT)がStratum 1のNTPサーバーを運用している。そして、このNICTのNTPサーバーと連動するNTPサーバーがStratum 2になる。Stratum 2のNTPサーバーはインターネットマルチフィードなどが公開している。最下層のStratum 16では、時刻を受け取るだけで配信はしない。

 同じ階層にあるNTPサーバー間では、ピア接続と呼ばれる接続形態が可能だ。ピア接続では、通常のNTPのように、サーバーからクライアントが一方的に時刻を受け取るのではなく、時刻を対等に交換する。通常は上位階層のNTPサーバーが異なるNTPサーバー同士をピア接続して時刻の精度を高める。

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