日経 xTECHは2018年6月6日から20日にかけて、45歳以上のITエンジニアを対象に「中高年(シニア)SEのリアルに関するアンケート」を実施した。質問項目は仕事への満足度や能力の衰え、加齢への実感など。合計647件の回答を得た。回答を頂いた皆様に厚く御礼を申し上げたい。本特集では、アンケートに寄せられた回答結果を基に、シニアSEの実態を報告する。

 年齢を重ねると能力は変化していく。調査で「20~30代の頃と比べ、高まったと感じる力、失ったと感じる力」を聞いたところ、身体や脳の変化に直結する体力、記憶力は若手時代より低下したと感じていると分かった。一方、過去の経験が土台となる判断力、コミュニケーション力、企画力については、ほとんどのシニアSEが若手時代よりも向上したと感じている。学習力、行動力、技術力は高まったと感じる人と、失ったと感じる人で割れた。

 より詳細な傾向を知るため、年代別に集計した。体力と記憶力は加齢とともに衰えを実感している様子がうかがえる。体力については、45歳未満では「高まったと感じる」と回答した割合と、「変わらない」と回答した割合の合計が約3割ある。しかし、45歳~49歳より上の年代ではこれが2割前後に落ち込む。多くのシニアSEが40代後半までに体力の低下を実感している。記憶力については、40代から50代にかけて低下を実感するという傾向だ。

20代、30代の頃と比べた体力、記憶力の変化(年代別)
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 若手時代より高まったと感じる能力の企画力、コミュニケーション力、判断力のうち、企画力とコミュニケーション力は年齢による差異が小さい。経験を重ねた分だけ能力が向上し、歳を取っても失わない能力なのだろう。少し状況が異なるのが判断力だ。上の年代ほど「高まったと感じる」と回答した割合が減っている。

20代、30代の頃と比べた企画力、コミュニケーション力、判断力の変化(年代別)
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 ジェロントロジー(老年学)を専門とする人材コンサルタントの崎山みゆき氏(自分楽代表取締役)は「判断力には時間をかけて考える『熟考する判断力』と、すぐに決断を下す『とっさの判断力』の2種類がある。熟考する判断力は経験を重ねると向上していくが、とっさの判断力は衰えてしまう。高齢になると思考に時間がかかるようになるためだ」と指摘する。

 上の年代で判断力への自信が薄れているのは、とっさの判断でミスをしてしまった苦い経験があるからかもしれない。ただ、熟考する判断力は高まっているはずだ。必要以上に自信を喪失する必要はない。

 学習力、行動力、技術力は上の世代ほど「高まったと感じる」と回答した割合が減り、「失ったと感じる」と回答した割合が高くなる傾向となった。ただ、体力や記憶力ほど全員が低下を実感しているわけではない。能力の変化は個人差がありそうだ。

20代、30代の頃と比べた学習力、行動力、技術力の変化(年代別)
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