新潟県上越市は、雪中貯蔵施設の設計業務を対象とする公募型プロポーザルで、最優秀者に海法(かいほう)圭建築設計事務所(東京都中央区)を選定した。優秀者はクレイズプラン新潟事務所(新潟市)だった。

外観イメージ。周囲の物産館やそば屋、山並みや川と調和するように端正な切妻屋根とした。「みんなと一緒に考え、育てるプロセス」を重視し、施設完成後を見据えたソフトとハードの一体化を目指す(資料:海法圭建築設計事務所)
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 全国屈指の豪雪地帯である上越市では、低温・定温・保湿といった、雪の特性を生かした天然の貯蔵庫「雪室(ゆきむろ)=雪中貯蔵施設」を、農産物や食品などの保存、熟成に活用してきた。中でも、1993年3月、安塚区樽田に建設された雪中貯蔵施設は雪国の文化や知恵の発信拠点としての役割を担い、2017年度にはさらなるにぎわい創出を目指して、観光対応型に改修する工事が進んでいた。

 しかし、工事中の火災事故で、17年12月、完成を目前にして全焼。市は新たな雪中貯蔵施設の建設に取り組むことにし、「高付加価値化を図り農業所得の向上を図る」「雪国の知恵を伝え地域ににぎわいをもたらす」という整備方針を立てた。プロポーザルでは、農産物加工・雪室運営、施設の利用、農産物の生産振興、施設の建築、農業振興全般の各分野から成る委員で構成する審査委員会を設置し、次の3つのテーマについて、的確性、独創性、実現性を考慮して、総合的に評価した。

(1)米をはじめとする農産物が最適な条件で保管でき、かつ貯蔵物の衛生管理を重視した施設
(2)貯蔵する雪や農産物が見学できる機能や貯蔵庫の室温を体験できる機能のほか、雪国の文化を学習できる観光対応型の施設
(3)維持管理しやすく、機能が長期にわたり確保できる施設

見学ブリッジから米を貯蔵する「雪中貯蔵庫」を見る。見学者用に専用のブリッジを計画し、食材を置くフロアとレベル差を設けることで衛生に配慮する(資料:海法圭建築設計事務所)
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