中国・深センの南シナ海に面した小梅沙エリアは、観光客が多く訪れるリゾート地だ。そこで約8万m2の敷地を対象に、「新海洋世界(水族館)・ハイエンドリゾートホテル建築設計コンペ」が開かれた。世界から70者の応募があり、6月に佐藤総合計画と乃村工芸社の共同企業体(JV)を最優秀者に選出。7月に設計契約を締結した。コンペ概要などの詳細は前編記事に掲載。佐藤総合計画の細田雅春社長に、コンペの勝因や深センの動向などについて聞いた。

佐藤総合計画・乃村工芸社の共同企業体(JV)が提案した水族館の完成イメージ。展示空間には水槽を設置するほか、プロジェクションマッピングなども活用する予定(資料:佐藤総合計画)
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――深センの水族館コンペにおいて、勝因はどのような点にあったのか?

 コンペは審査の開始から結果発表まで、半年以上の時間がかかった。最後には、我が社のほかに英国のザハ・ハディド・アーキテクツと、米国のリーザー・アーキテクチャーの2者が残っていた。

 私たちは「深セン湾体育センター」(2011年竣工)を手掛け、成功したという実績がある。水族館設計の実績も、コンペの参加条件に含まれていたが、乃村工芸社と組むことで、展示計画をより充実できた。

佐藤総合計画が深セン市で設計を手掛けた「深セン湾体育センター」。2万席のスタジアムなどを持つ。現地では、「春繭」と呼ばれて親しまれているという(写真:佐藤総合計画)
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 水族館のコンセプトで強く提案したのは、単なる展示ではなく、「来館者が水の中に入って、魚と水と同化するような感覚になる水族館をつくりたい」ということ。水族館は渦巻き形で、一筆書きで描いたようなデザインだ。その中央には、円筒形の水槽を設置し、世界初のドーナツ形エレベーターを入れる。

敷地全体に回遊性を持たせるため、ペデストリアンデッキで各施設を結ぶ。南シナ海の海流が描く曲線から着想を得た(資料:佐藤総合計画)
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ドーナツ形エレベーターのイメージ。内側と外側の両方から水槽を鑑賞できる形は、世界初となる(資料:佐藤総合計画)
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 エレベーターは100人乗りを想定しており、集客効果を見込める魅力的な仕掛けの1つだ。日本の技術力を生かしたチャレンジングなもので、三菱重工業と協議を重ねて技術提案をまとめた。成功したら新しいエレベーターの時代が来るかもしれない。

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