第3種換気設備で24時間換気をすると冬は室内が過乾燥になる。湿度が低過ぎるとインフルエンザにかかりやすい、アレルギー症状が出やすいといったリスクが高まる〔図1〕。そのため、過乾燥を嫌う人は少なくない。

〔図1〕湿度40%以下は健康に悪影響
近年の研究成果に基づく相対湿度の推奨範囲として林基哉統括研究官らが作成したもの。湿度が40%以下になるとさまざまなリスクが高まる(資料:建築物衛生管理に係る行政監視等に関する研究)
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 健康被害のリスクを減らすために最低限必要な相対湿度について、国立保健医療科学院の林基哉統括研究官はこう話す。「これまでの研究からは40%以上が目安だと考える。ただ、まだ結論が出ていない難しいテーマだ」

 過乾燥対策の1つは、温度と湿度の両方を交換する全熱交換の熱交換型換気設備を使用することだ。熱交換型には温度しか交換しない顕熱交換もあるので注意したい。

 全熱交換でも湿度(潜熱)の交換率は機種によって異なる。日本製は60%以上、海外製はそれよりも低いものが多いと言われる。この性能はカタログに記載されていないので、メーカーへの確認が必要だ。パナソニックエコシステムズの最新機種は潜熱交換率を高め、暖房時は70%以上としている。

 交換率の高い全熱交換の設備を使っても、湿度を40%以上に保つのは難しい場合がある〔図2〕。パナソニックエコシステムズや三菱電機などは、室内に湿度センサーを付けて、湿度が下がると換気量を自動的に減らす機種を用意している。

〔図2〕全熱交換でも40%を下回る
全熱交換で湿度センサーを付けた場合と付けていない場合で相対湿度を比較した。センサー付きは40%以上にできるが、湿度センサーなしや第3種換気は40%を下回る。東京の気象データで計算(資料:パナソニックエコシステムズ)
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 第3種換気設備でも、室内の湿度が下がると換気量を自動的に減らす機種がある。ダクト式ではマツナガ(東京都練馬区)の「湿度感応型MSデマンド換気システム」、ダクトレスでは日本スティーベル(川崎市)の「LAシリーズ」などがそうだ〔写真1〕。

〔写真1〕湿度に合わせて換気量を増減
マツナガの「湿度感応型MSデマンド換気システム」。湿度に応じてリボンセンサーが収縮して給気口や排気口を開閉させ、換気量を変える。左は給気口用、右は排気口用(写真:マツナガ)
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