個人的に転職相談に乗ったり、企業でのキャリア研修で受講者から相談を受けたりするとき、筆者が困るのが「今の職場が何となく嫌だ」「何となく仕事が面白くない」と言われるケースです。

 「会社に行くのが嫌でたまらない」というのなら、何が問題でどう解決すればよいか話を進められます。一方で「何となく」の場合は、明らかな問題はありません。しかし、会社に通う理由を見いだせなくなっているのです。

 こうした人に話を聞いてみると、多くの場合3つの「ない」がそろっています。「職場でやりたいことがない」「人間関係が希薄で楽しいことがない」「取引先からも顧客からも刺激を受けられない」です。

 そんな状態のときに、転職広告や、“意識高い系”の働き方の記事などをたまたま目にすると、「この会社で人生終わるのだろうか」という不安が湧いてきます。そして若手ほど、「今の会社では学ぶことがない」と思い、転職を考え始めるようです。

先輩が大したことをやっているように見えない

 実際に筆者が相談を受けた事例を紹介しましょう。大学卒業後、あるメーカーにめでたく就職した入社2年目の社員です。本人は開発希望ですが、現在は生産ラインを担当しています。「うちの職場は、40歳を過ぎてもラインで定型作業をしている社員が多くいる。自分もそうなってしまうのではないか」と不安を口にしました。

 本人いわく、職場で毎日驚くようなことがあるわけではないし、顧客から感動的な感謝のメッセージが届くわけでもない。毎日同じことの繰り返し、職場仲間の顔ぶれも変わらず、特に刺激的なことは起こらない。