「転職したい」とあれこれ思い悩み、良い会社はないかと長期間にわたって転職活動をしながら働くのは、あまり精神に良いことではありません。もちろん、気軽な愚痴として「こんな会社はいつか辞めてやる」などと言っているだけならよいのですが、真剣に何年も考え続けるのはお勧めできません。こうした気持ちは、現職での働きぶりにも表れます。

 意欲が低下して職場で何となく浮いてしまったり、取引先に無意識に愚痴をこぼし続けてみたり。他の書類と一緒に置いていた職務経歴書を、ふと気を抜いたときに後輩に発見されてしまう、といったこともあります。転職活動というのは、結構な体力や神経を使うものなのです。

 「自分が本当にやりたいことは何か」と考えることは、転職活動を始める前の“自分探し”です。自分探しは心ゆくまでしてもよいのですが、それは転職活動ではありません。

 転職活動は、“自分試し”です。転職するぞ、こんな会社で働くぞと決めたら、とにかくその目標に向かってまい進することが大切です。特に1回目の転職は、一定期間に集中して取り組むことをお勧めします。

 私がこうした考えを持つようになったきっかけの1つが、金井壽宏著『働くひとのためのキャリア・デザイン』 (PHP新書)を読んだことです。転職についてだけ書かれた書籍ではありませんが、転職を考える上でも示唆に富んでいます。

終業後は飲まずに面接ダブルヘッダー

 では、転職活動に集中するのはどのくらいの期間がよいのでしょうか。私は、3カ月を目安にすることをお勧めしています。

 転職活動は、自分の営業活動です。終業後、午後6時以降はとにかく人に会いましょう。「時間が合えば行く」というスタンスではなく、1日に2件、午後6時と午後8時などと予定枠を最初から確保して、徹底的に予定を入れていきます。

 一方で現職の仕事にも、気を抜いてはいけません。活動してみて何も得られなかった、良い案件が見つからなかった場合は現職にとどまるわけですから、現職で居場所をしっかり確保した上で転職活動に臨んだ方がよいでしょう。

 よほど劣悪な労働環境でない限り、退路を絶っての転職活動、ましてや、退職届を出しての転職活動はお勧めしません。収入が不安定な状況下での活動になるからです。収入の不安定さ故に落ち着いて考えることができず、間違った判断をしてしまう場合もあります。

 とはいえ、現職で働きながら、毎晩たくさんの人に会うのは大変です。精神力や体力が求められるため、3カ月という期限を決めて頑張りましょう。