もう1つチェックしておきたいのは、応募企業のWebサイトです。特に最新のニュースリリースや、SNS(交流サイト)による情報発信は重要です。業界研究や志望企業選びの際に情報収集は済ませているでしょうが、その後に新製品や人事異動などの大きな発表があったかもしれません。それを面接で問われて、「知らなかった」では評価が下がりかねません。

 役員などによるSNS発信も重要です。筆者はよく「社長面接、役員面接に備えて何を準備したらよいか」と尋ねられることがあります。著書だけでなくSNSで日常的に発信される情報を通じて、社長の経営理念や人となり、経営陣が持っているビジョンなどを理解しておくことが大切だとアドバイスしています。

 中途採用面接を受けた応募者のうち、自社や自分に関心を持ってくれている人とそうでない人のどちらを選ぶかと言えば、多くの場合は関心を持ってくれている人に良い印象を抱くのではないでしょうか。現職の業務も忙しいと思いますが、移動中の隙間時間などを生かして、情報収集することをお勧めします。

1時間、近くのカフェで過ごす

 最後に、筆者自身が面接前に習慣にしていたことをお伝えします。筆者は当日、1時間早く着いて近くのカフェで面接時刻まで過ごしていました。

 狙って行っていたわけではないのですが、近隣のカフェには応募企業の情報があふれていました。社員が大きな声で会社の噂話をしていたり、時には人事評価を伝えるマネジャーと社員がかんかんがくがくの議論をしていたりと、応募企業の内側を知る機会が多くありました。人事コンサルタントとして活動している今も、近隣のカフェや喫煙所、ランチ場所でクライアントの情報を耳にすることがあります。

 人事担当者は、内定を出した人から入社の判断材料として、「もっと会社の中の情報が知りたい」「社員の生の声が聞きたい」といったリクエストを受けることがあります。そんなとき、自社にネガティブな気持ちを持っている社員を紹介することはないでしょう。仮にネガティブな気持ちを持っている人も、人手が足りなければ、早く入社してもらうために内定者には良い話しかしないでしょう。

 欲しい情報に触れられるのは、会社の中ではなく、周辺のカフェかもしれないのです。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。