20代は、他の年代よりも転職しやすいといわれます。私も転職相談を20年以上手掛けていますが、20代からは「転職先が無い、内定が出ない」という相談よりも、「複数社から内定をもらったがどこを選ぶべきか分からない、現職からも引き留められて困っている」といった相談をよくされます。

 「20代は、朝、転職サイトに登録したら、その日の夕方までには決まる。当選確率90%の宝くじ」。知り合いの大手転職サイト社員からは、こんな言葉も聞きました。それほど、引く手あまたなのです。

 20代には、簡単に転職先が見つかるがゆえに、気軽に転職を繰り返す人がいます。しかし、それは要注意です。新卒の就職活動以上に、準備や検討をしっかりした上で転職活動に臨むことをお勧めします。

20代のうちに3回以上の転職は、その後に響く

 何度も転職している人を、「ジョブホッパー」と呼ぶことがあります。だいたい3回以上転職すると、こう呼ばれます。ジョブホップを重ねること自体は、もちろん悪いことではありません。ただし20代のうちに3回以上ジョブホップすると、その後の転職のハードルがかなり上がります。

 社会人になってから短期間で複数の会社を渡り歩いているということは、自社に入ってもすぐに辞めてしまうのではないか。書類選考や面接で、採用側はそれを警戒します。その結果、内定が出にくくなるのです。

 転職回数が多い分、採用側に自分のことを分かってもらうのも大変になります。前回も触れましたが、何度も転職している人は、面接でこれまでの経歴を伝えるのに時間が掛かります。経歴の確認だけで時間切れになってしまい、本人がどんな人なのか、自社が求める人材像に合っている人なのかを十分に確かめられません。その結果、採用見送りになってしまう可能性が高まります。30代以降の転職でうまくいかないのも、現職云々よりも20代の転職回数が多いから、ということもあるのです。

 また転職の回数が増えれば、その分、自分に合わない会社に入ってしまう確率も上がります。転職業界では、「3社転職すれば、ブラック企業や働きにくい会社に1社は出合う」といわれています。それを理解した上で、自分の経験値を高めるために入社するのならよいのですが、想像を絶するつらさに直面する危険性もあります。

 私自身も、転職を重ねる中で何度かそんな企業で働いた経験があります。そこから脱出するために再度転職活動をしていたら、面接時に「ご事情は分かりますが、貧乏くじを引く能力が本当に高いんですね。うちもそうなりそうですか」という嫌みを言われたことがありました。