厚生労働省は2019年8月21日、2018年の雇用の状況を調べた「平成30年雇用動向調査結果の概要」を発表しました。今回はこれを読み解きながら、現在の転職市場動向を考えてみましょう。

 業界や職種、地域などによって細かな傾向は異なりますが、転職を考える上での1つの目安として確認してみてください。

転職後の給与、「増加」も「減少」も3割超

 まず、気になるお金についてチェックしてみましょう。2018年の転職入職者(転職して別の企業に入社した人)の賃金変動状況を見ると、前職の賃金に比べ「増加」した割合は37.0%に上ります。前年に比べて0.6ポイント増加しました。

 「増加」のうち「1割以上の増加」は 25.7%。20歳から34歳までで見れば、1割以上増加した人の割合が30%を超えています。3人に1人が、1割以上の給与アップを果たしていることになります。

 「1割」のありがたみをどう考えるかですが、月給20万円であれば22万円に、25万円であれば27万5千円に増えることになります。現職で我慢して昇給を待つか、転職で給与アップさせるか微妙な金額かもしれませんが、転職するかどうかの判断材料の1つになるでしょう。

 一方、転職で給与が「減少」した割合は34.2%と、「増加」とほぼ同じ水準です。「1割以上の減少」も26.6%と、全体の4分の1を超えます。転職市場は活況と言われますが、転職で収入が減るリスクはいまだ残っていることが分かります。

 額面では給与が上がったように見えても、入社してみたら思った通りではなかったというケースもあります。詳細をしっかり確認しましょう。チェックすべき代表的なポイントを記します。

  • 基本給/役割給の割合
  • 各種手当/残業代の考え方
  • 裁量労働制かどうか
  • 賞与の支給方法
  • 給与の支払日

 最後の「給与の支払日」は見過ごされがちですが、意外に重要です。銀行口座からの各種引き落としは毎月26~27日に集中することが多いので、数日ずれただけでも影響があるのではないでしょうか。

 筆者の知り合いには、大手企業に転職したら給与が「月末締めの翌月25日払い」となり、1カ月間無給状態で過ごすことになった人もいます。ちょっとしたことに思えますが、入社直後のモチベーションに少なからぬ影響を与えますので、お金の確認は慎重にしましょう。

 転職先の人事部に教えてもらえるのなら、「等級別の給与レベル」「昇給の要件」なども事前に確認しておくことをお勧めします。金銭面だけでなく、その会社で自分がどのようなキャリアプランを描くか検討する材料になるからです。