「早期退職に応募しませんか」。これを企業が社員に伝えるタイミングは、連続休暇や長期休暇の前というのが1つのセオリーです。お盆を間近に控える今の時期や、正月を含む冬休み前に早期退職の意向確認面談が実施されることが多いといわれています。

 早期退職への応募は、簡単な決断ではありません。普段の仕事をしながら考えるのはなかなか難しいでしょう。この件について考えるのは気が重くなり、仕事の終了後に同僚と飲み歩いたりして家族への相談を先延ばしにする社員もいます。そこで、一定期間仕事から離れる休暇の前に伝えるわけです。

 他にも、決算発表に盛り込んで発表するためお盆前になる、3月の年度末決算までに事業整理を終わらせるため12月末に伝えて3月末退職にする、といったケースもあります。いずれにしても、夏季休暇と冬季休暇の前に早期退職の募集をかけることになります。

 応募を打診される方にしてみれば「せっかくの休み前にそんなことを言うのか」という気持ちになるでしょう。しかし実際に、休暇中は今後の自分のことを落ち着いて考えたり、家族に相談したりするよい機会です。もし退社したらどのような人生を送るのか、ゆっくり考えるのも1つだと思います。

資格の取得費用と収入は対応しない

 早期退職制度を運用する際、国内企業ではすぐ退職させるのでなく、1年ほど会社の名刺と机を用意するケースもあります。次の道を決めるための準備期間です。

 筆者はそうした企業や社員の転職支援のお手伝いをすることがあるのですが、多くの人がまずやってしまいがちな危険な行動があります。「資格を取ればなんとかなる」と考えて、資格取得にまい進してしまうというものです。特に「今後の人生は好きなことにチャレンジしよう」と気持ちが高揚している人と、「会社から離れて本当に生きていけるのか」と不安な人にこの傾向が見られます。

 早期退職すると、退職金として大金が入ってきます。資格取得にはお金がかかりますが、退職金があれば問題ないと思って、深く考えずに突き進んでしまいます。しかしこれはお勧めできません。