本コラムでこれまで書いてきたように、転職活動は決して楽ではありません。精神的、肉体的にそれなりの負担がかかります。この活動を乗り切る支えとなるのが、家族や友人など周囲の人の応援です。

 しかし実際は、周囲の人の理解を得られないケースがあります。以前、配偶者に転職を止められる“嫁ブロック”を取り上げましたが、“親ブロック”に遭う人もいます。せっかく決まった転職先なのに、親に反対されてしまうのです。

 特に20代のうちは、親ブロックに遭う人は多いと聞きます。転職だけでなく、新卒での就職活動でも起こります。

 私は就職や転職にまつわる悩み相談を、プロボノ(専門家が自分のスキルを生かしてボランティアすること)でかれこれ15年以上受けています。いろいろな相談者の悩みを聞きましたが、その中には親ブロックに遭ったことを泣きながら話してくれた女子学生もいました。

 求人倍率が「1」を下回った就職氷河期で、10月の内定式直前にやっとのことで内定を獲得。親に報告したところ、「おめでとう」の言葉の前に「その会社はやめた方がよい」と言われたそうです。親を安心させたい一心で必死に就職活動をした揚げ句にこの言葉を言われ、さすがにきつかったと涙を流していました。彼女は結局、その会社への入社を諦めて別の会社を探しました。

父親に口をきいてもらえなくなった

 30代、40代になると数は減りますが、名の知れた大手企業から中小企業やベンチャーなどに転職する際は、親から難色を示されるケースがあります。また、この年になると、親からは何も言われなくても「転職で親に心配をかけたくない」と思っている人も多いでしょう。

 今回も、筆者自身の経験をお話しします。筆者は群馬の、人口20万人程度の街の出身です。親は地元から出たことはなく、親戚には大卒者がいません。地元の企業に入社して定年まで勤め上げるのが、親にとっては当たり前です。

 そんな中、筆者は新卒で入社した東京の企業を3年目で退職し、転職しました。親からは「こらえ性がない」「人としていかがなものか」などかなり厳しいことを言われました。