2018年の年末くらいから、早期退職の報道が目に付くようになってきました。日経 xTECHの記事を検索してみても、大手メーカーやITベンダーの早期退職、希望退職などのニュースが複数ヒットします。

 今回は、早期退職制度への応募を考えたときに、まず留意すべきことを記載します。40~50代で早期退職に興味のある方には、頭の隅に置いておいていただきたいと思います。

早ければ早いほどよいわけではない

 早期退職でポイントになるのは、「辞める時期」です。早期退職制度では、制度の発表から退職日までが2カ月を切るケースも珍しくありません。短い期間で大きな決断をしなければならないので、心理的には結構大変です。

 しかも早期退職の場合、最初の募集に応募するのが最も処遇が良いという噂があります。2回目、3回目の募集がある場合、後になればなるほど悪くなるというものです。この噂が本当かは会社によって異なるでしょうが、確かに最初に応募する方が条件が良いケースが多いように思われます。

 では、早ければ早いほどよいかというと、そうではありません。いくら上乗せされる退職金が多くても、退職後の生活についてきちんと決めずにお金だけもらうのは得策ではありません。

 例えば、「退職金1500万円、上乗せで1500万円。合計で3000万円を支給する」と言われたとします。これはかなり良い条件ですが、55歳で3000万円をもらって離職したとして、その後本当に生活できるかを考えてみましょう。

 再就職のメドがついていればよいのですがそうでない場合、家族を養いながら何年暮らせるでしょうか。生活費だけでなく、社会保険料なども自分で納付しなくてはなりませんから、思った以上にお金は必要です。老齢年金が65歳で支給されるとして、それまで持ちこたえようとすれば、10年間を1年当たり300万円でやりくりしなくてはなりません。