転職先を検討する際に重視されるポイントとしてはやりがい、給与などがありますが、一考してみる価値があるのが「勤務地」です。勤務地の候補を少し広げるだけで、転職先の可能性は広がります。

 現在都市部で働いている人は、転職先を探す際も、当然のように現職と同じ都市部に絞ってしまいがちです。しかし「都市部にしか自分にとってやりがいのある仕事や、給与が高い仕事はない」と思い込むのはとてももったいないことです。まずはこのバイアスを外してみてはいかがでしょう。

 とはいっても47都道府県すべてを対象にするのは現実的ではありませんから、「この地域なら働きたい、働いてもいい」という候補地を考えます。

Uターン転職のメリット、デメリット

 多くの人が最初の候補に挙げるのが、自分が生まれ育った出身地でしょう。いわゆる、Uターン転職です。

 実家に住むなら住居費などの固定費がかかりませんし、土地勘があるので生活にも困りません。地元の風土はよく分かっているので、住みにくいと感じる要素があってもある程度は受け入れられるでしょう。

 一定の人間関係が築かれている、というのもメリットです。転職先や取引先に中学、高校時代の友人が勤務しているといったケースもよくあり、スムーズに仕事を進めやすい面があるでしょう。

 ただし、良いことばかりではありません。実際に、Uターン転職したものの思い通りにいかず、また都市部に戻ってくるケースは意外によくあります。

 原因の1つは、前職の流儀をそのまま持ち込んで疎まれてしまうこと。地元の気楽さも手伝って特に身構えずに前職のペースで仕事をしてしまい、「東京ではそれでいいかもしれないけど、地方では違う」と否定されてしまった、といった話はよく聞かれます。

 昔の友人がいるといっても、良好な関係を築けるとは限りません。中学校、高校から地元で過ごしてきた友人たちの結束は、思った以上に強いものです。5年ほど地元を離れていただけでも、その輪に入れずにつらい思いをするということもよくあるようです。

 一見ハードルが低そうなUターン転職ですが、Uターンだからこそ慎重に情報を集め、本当にもう一度地元で生活できるか考える必要があるでしょう。