年収100万円減でも楽しむ

 またAさんは転職先を探す際、処遇を条件にはしてこなかったそうです。最初は「楽しそうかどうか」で応募先を決めて、内定が出て初めて処遇を確認する。新しいチャンスを得ることが目的で、処遇は基本的に提示された内容を受け入れる。これまでの転職のすべてが、このパターンだったと言います。

 私の知っている範囲でも、彼は年収が100万円ほど減ったケースが数回あります。しかし、そこは自分の工夫で乗り切っています。転職をしても、大好きな海外旅行は毎年欠かしません。大手航空会社が高ければ、格安航空券を使って茨城空港から数千円で海外へ。お酒も好きなのですが、夕方は仕事を徹底的に効率化して早めに切り上げて居酒屋のサービスタイムに駆け込み、お得な値段で楽しむなど、生活の満足感はほとんど変わっていないようです。

 転職には環境の変化がつきものです。楽しいこともあるし、つらいこともある。つらいことがあっても自分の気持ちを高める方向にすり替える能力さえあれば、転職のリスクなど感じずに済みます。転職活動や転職後の会社生活を、楽しめるようになるのではないでしょうか。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。