6月18日に発生した大阪北部地震で、大阪府高槻市立寿栄小学校のプールわきに設置していた長さ約40m、総重量12トン以上のブロック塀が道路側に倒壊。通学途中だった小学4年生の女児が塀の下敷きとなり亡くなった。市は事故を受けて7月2日、市立小中学校59校のうち29校、市内の公共施設75施設で、高さ1.2mを超えるブロック塀を全て撤去すると発表した。学校は8月下旬まで、公共施設は遅くとも2018年内に撤去作業を終える方針だ。

6月18日に発生した地震で、大阪府高槻市立寿栄(じゅえい)小学校ではブロック塀が倒壊し、通学途中の女児が犠牲となった。写真は警察官などが現場を検証している様子。6月19日に撮影した(写真:日経アーキテクチュア)
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 建築基準法に適合しているかどうかを問わず、ブロック塀であれば全て撤去する理由について、市の政策経営室担当者は次のように語った。「市では、市立寿栄小学校の事故を受けて、ブロック塀内部の鉄筋がどう施工されているのかまで確認することは難しいと考え、疑わしいものも含めて撤去することとした」。極端ともいえる市の対応だが、その引き金となった寿栄小でのブロック塀倒壊死亡事故について経緯を振り返ろう。

 6月19日、高槻市の濱田剛史市長は会見で、次のように謝罪した。「倒壊した壁が法令に適合していなかったことに市の責任を痛感しており、今後は原因の究明と再発防止に全力を尽くす」

6月19日、高槻市役所で開かれた会見で市は、塀が現行の建築基準法に不適合であったことを認め、謝罪した。左から高槻市の平野徹教育管理部長、濱田剛史市長、樽井弘三教育長、横山寛教育指導部長(写真:日経アーキテクチュア)
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 同校の塀については、事故発生後に大阪府警が業務上過失致死容疑で捜査。文部科学省も現場を調査した。詳細な調査結果はまだ公表されていないが、現行の建築基準法施行令に照らして、3つの点で問題があった。

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