商用車にこそ自動運転機能を――。運転者不足を背景に、運転時の負荷を軽減する機能に対する需要が拡大している。大型トラックでは、ドイツ・ダイムラー(Daimler)が高速道路の単一車線での走行を支援する自動運転「レベル2」の機能を搭載した車両を2019年1月に発売することを決めたばかりだ(関連記事:トラックの単一車線走行支援、独ダイムラーが導入)。

 車線中央維持機能や自動駐車、隊列走行などを実現する上で欠かせないのが、パワーステアリングの電動化である。商用車には油圧式のパワステが長年使われてきた。自動運転の要素部品であるセンサーや車載コンピューターなどは乗用車と共用しやすいが、商用車は車両質量が大きく異なるため、電動パワーステアリング(EPS)は乗用車向けを流用しにくい。

 商用車向けのパワステでは、2018年ごろから電動油圧式の量産が少しずつ始まっている。ドイツZFやベルギー・ワブコ(WABCO)、ジェイテクトなどが、既存の油圧ステアリングにモーターを追加する形の電動油圧式パワステを用意する。

電動油圧式より10%の軽量化が可能

図1 ZFが開発した商用車向け電動パワステ「ReAX EPS」
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 部品メーカーがしのぎを削る中で、一歩先を行く提案をしたのがZFだ。同社は、油圧部品を排した“フル電動”のEPSを開発した(図1)。「ReAX EPS」と名付けた試作品は大型トラックに対応する。2018年9月にドイツ・ハノーバーで開催された世界有数の商用車のモーターショー「67th IAA Commercial Vehicles」で披露し、顧客へのアピールを始めた(関連記事:商用車ショー「IAA 2018」の記事一覧)。

 開発したEPSは、既存システムを48Vシステムのモーターや減速機などに置き換えた。オイルポンプやリザーバータンクなどを無くすことで、「電動油圧式のパワステに比べて10%の軽量化が狙えると同時に、オイルの補充が不要になるためメンテナンス性が向上する」(ゼット・エフ・ジャパン商用車テクノロジー本部長の岩田真澄氏)という。

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