バンを代表とする小型商用車(CV:Commercial Vehicle)の電気自動車(EV)モデルが、2018年以降に続々と登場する。環境規制を契機として、ドイツ・ダイムラー(Daimler)や日産自動車を筆頭に開発は勢いを増す。先行メーカーを追撃するため、提携によって開発能力を高める動きも活発化している。

 小型商用EVは欧州を中心に需要が拡大している。環境規制の強化への意識が高まる中、ドイツやフランスなどは、特定の都市にディーゼルエンジン車で乗り入れること禁止する見通し。商用車は車格を問わずディーゼルエンジンを搭載することが多く、このままでは物流網が崩壊しかねない。配送業者が想定するのは、乗り入れ規制の無い都市間の輸送は中・大型トラックに任せ、ディーゼル車が入り込めない都市内は小型商用EVを使うという方法だ。エンジン音が“消えた”静かな走りが魅力のEVは、朝や夜の住宅街でも走行しやすく、地域住民の生活に負荷を与えにくい。

全てのラインアップでEVモデルを

 特に新型車の投入を急ぐのが商用車首位のDaimlerだ。同社は2017年11月、小型商用車部門のメルセデスベンツ・バンズ(Mercedes-Benz Vans)を通じ、今後すべてのラインアップでEVモデルを用意する「eDrive@VANs」計画を打ち出した(図1)。同社が本社を構えるドイツ南部のシュツットガルト市では、2019年1月から環境基準を満たさない古いディーゼルエンジン車で乗り入れできなくなる。実用的な車種の投入が、Daimlerが果たすべき使命となっていた。

図1 Daimlerは小型商用EVのラインアップを増やす
左から「eVito」と「eSprinter」、右は燃料電池車(FCV)の「Sprinter F-CELL」。(出所:Mercedes-Benz Vans)
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 まずは、中型EVバンの「eVito」を2018年秋に発売し、2019年に大型の「eSprinter」を欧州市場に投入する計画だ。さらに、燃料電池車(FCV)バンの開発も進めている。車両の積載量と電動パワートレーンの選択肢を増やすことで、配送業者の要望に応える(関連記事:商用車のEV化を進めるダイムラー、「eSprinter」を2019年に発売)。

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