誰が生き残るのか――。自動運転化や電気自動車(EV)化など、100年に1度の改革の波が自動車業界に押し寄せている。業界の主導権を賭けたこの争い、対象は乗用車だけではない。比較的「平穏」とされてきたトラックやバスにも波及し、商用車メーカー各社は対応に奔走する。

 2003年から高級車ブランド「Mercedes-Benz」を率いるドイツ・ダイムラー(Daimler)グループの一員になり、アジア地域での原動力になっているのが三菱ふそうトラック・バスだ。単体では国内3番手ながら、グループとして世界で大きな影響力を持つ。会長の座に就くのは元経済産業事務次官の松永和夫氏。Daimlerとの提携によって新技術の開発を加速し、物流事業者が抱える運転者不足の課題解決に意欲を燃やす。

(聞き手は窪野 薫=日経 xTECH)

まつなが・かずお。1952年生まれ。東京都出身。1974年に東京大学法学部卒業後、通商産業省(現:経済産業省)に入省。2010年経済産業事務次官。損害保険ジャパン(現:損害保険ジャパン日本興亜)顧問、住友商事やソニーなどで社外取締役を歴任し、2016年から三菱ふそうトラック・バス取締役副会長。 2017年から現職。(写真:加藤 康)
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商用車の業界再編が進んでいる。日野自動車とドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)の提携は、首位を走るDaimlerグループの脅威となるのか。

 全てが脅威で、競争は必至だ。日野とVWの連携は非常に分かりやすい事例である。商用車メーカーは、ディーゼルエンジンのような既存の内燃機関を極めながら、新しい領域に投資しなくてはならない。しかし、新領域は本当に需要があるのか分からない。単独でやるにはリスクが大きい。

 今後、業界のアライアンス(提携)は不可避になるだろう。同じようなことが、これからどんどん増えていく。日野やVWのような自動車業界だけの提携にとどまらず、異分野との提携も活発になる。当社も同様だし、Daimlerグループとして当社を含む各社も提携を進める。ある分野では競争し、またある分野では連携する。このようなことは日常茶飯事になる。そこがこれまでの動きとは大きく変わるところだ。

三菱ふそうは川崎市の社屋内にDaimlerの文字を掲げ、連携を強調する
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