高速道路を連なって走る大型トラック――。物流業界が抱える人手不足の課題を解決する技術は着実に進歩している。豊田通商が受託した国家プロジェクトは終盤を迎え、隊列走行の実証実験は後続車無人を想定する段階に移った(図1)。最大3台の車両が列を成して、車間距離約10mを維持しながら最高速度70km/hで走る。先行車に続くように後続車は自動で車線を変える。安全を考慮して後続車にも運転者が乗るものの、直接的には運転に関与しない。日本政府は早ければ2022年にも同技術を事業化したい考えだ。

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図1 後続車無人を想定したトラックの隊列走行は、新東名高速道路の浜松SAから遠州森町PA間の上下線で2019年1月22日~2月28日に実施(出所:豊田通商)
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 「のどから手が出るほど欲しい技術」――。ある大手物流事業者の幹部が隊列走行に強い期待を寄せるのは、「運転者不足でトラックの稼働が止まった」(同氏)という苦い経験があるからだ。

 隊列走行のメリットを大きく見積もる物流事業者は多い。例えば、有人の先行車に無人の2台を追従させれば、人件費当たりの輸送効率は3倍に高められる。運転者不足への対策としては、高速道路や一般道など用途を限定した自動運転トラックを実現する手もあるが、日野自動車やいすゞ自動車といった国内メーカーが市場投入を見据えるのは2025年以降。それまでは技術的なハードルが比較的低い隊列走行で穴を埋め、トラックの稼働率を高めていく。

 豊田通商が国家プロジェクトに沿って実施している隊列走行は、後続車両が搭載する技術水準に応じて大きく3段階に分けられる。先行車の追従機能のみを搭載した第1段階、車線維持機能を加えた第2段階。そして、車線変更までを自動で可能にした今回の第3段階だ。

 第1段階と第2段階は簡易的な隊列走行の技術となり、豊田通商はすでに国内商用車メーカー各社と連携するなどして実現済み。第3段階でようやく後続車の無人化が視野に入る。今回の実証実験用に、日野の大型トラック「プロフィア」を基とした新たな専用車両を開発した。

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