前回から続く)

 今回は中国・小米(シャオミ、Xiaomi)のロボット掃除機「米家掃地机器人」(MIJIA掃除ロボット、掃は簡体字)を分解していく。小米は2010年に中国で創業した新興のスマートフォン(スマホ)メーカーだ。日本では販売されていないためそれほど認知度は高くないが、現在は世界のスマホ市場で第4位につけるとする。2018年7月9日には香港取引所に株式上場した。なお、直近のスマホ市場の成長力が疑問視されていることもあり、約5200億円の調達にとどまった。

 ただし、同社は単なるスマホメーカーではない。同社の「mi」のロゴは「モバイルインターネット」を表すとし、ネット系企業を自称して消費者向けのIoT機器(スマート家電)メーカーを目指している。当初は、米アップル(Apple)を意識したデザイン性の高い低価格スマホで台頭するも、同じ中国新興スマホメーカー間での競争が激化すると、2014年に899人民元(約1万5000円)の空気清浄機を発売するなど、スマート家電に触手を伸ばした。空気清浄機のほかにも炊飯器や照明器具、さらにはAIスピーカー「小米AI音箱」も299人民元(約5000円)で販売する。

 小米のスマート家電に共通するのが、無印良品などを意識した白を基調とするクリーンなデザインだ(関連記事「スマホ大手の小米がスマート家電を投入する理由とは?」)。単なる無印良品の模倣にとどまらず、機器本体のユーザーインターフェース(UI)を簡略化しシンプルなデザインを実現しつつ、スマホとの連携により多様な機能と使いやすさの両立を目指している(関連記事「リモコンじゃもったいない、AIスピーカーの利用価値」)。

 今回のロボット掃除機も白いクリーンなイメージの筐体デザインが印象的で、安っぽくは見えない。が、価格は1699人民元(約2万8900円)と“お手頃”である。しかも、2018年7月10日現在は上場セールで1599人民元(約2万6900円)とさらに値引きされている。機能的には、自動運転車にも使われるレーザーによる測距技術「LiDAR(Light Detection and Ranging)」や自己位置推定と地図生成を同時に行う技術「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」を搭載する高機能品だ。

小米のロボット掃除機「米家掃地机器人」。円形の凸部分がLiDARとみられる。内側からは小米のテーマカラーであるオレンジ色がのぞく(以下、撮影:加藤 康)
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小米のロボット掃除機は裏面もクリーンな白。前回分解した中国エコバックス・ロボティクス(ECOVACS ROBOTICS)の製品とは異なり、前方ブラシは1個のみだ。底面ブラシもテーマカラーのオレンジで強調されている。なお、価格はエコバックス・ロボティックスの売れ筋低価格品である「DEEBOT DE35」と同じ1699人民元
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 どのようにこのお手頃価格を実現しているのか、分解して見ていこう。今回も分解はモノづくりのためのコワーキングスペースDMM.make AKIBAで行い、電機メーカーや部品メーカー出身の技術スタッフの方々にご協力いただいた。

裏面の型番シールを見ると、型番が「SDJQR01RR」であることが分かった。メーカー名は「北京石頭世紀科技有限公司」(頭は簡体字)になっている。定格電圧は14.4V、定格効率は55W
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 まず裏面の型番シールを見ると、メーカー名は「北京石頭世紀科技有限公司」(頭は簡体字)となっている。2014年7月に創業した、中国北京に本社を持つロボット掃除機メーカーのRoborock Technologyのことだ。同社のホームページによると、2014年9月には小米の出資を受けて「小米エコシステム」に加わったという。2016年9月に同社にとって初の製品となる小米ブランドのロボット掃除機を発売し、中国ロボット掃除機市場で「No.1 ベストセラー」を獲得したとする。今回分解するのは2017年9月に発売した第2世代品で、発売時には4時間で1000万人民元(約1億6800万円)以上を売り上げたとしている。

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