前回から続く)

 わずか2~3万円という低価格ながら、自動運転技術を備える中国のロボット掃除機。中国でシェア48%に達するという最大手のエコバックス・ロボティクス(ECOVACS ROBOTICS)の代表機種2機種として、売れ筋の低価格品「DEEBOT DE35」(以下、DE35)と「DEEBOT 9」シリーズの高級機「DR95」(以下、DR95)を分解してきた。

 前回は、レーザーを使った測距センサー「LiDAR(Light Detection and Ranging)」と、マイコンや無線通信モジュールを実装するメイン基板を中心に見てきた。今回は電池やバンパー周辺のセンサー、ファンのモーターを中心に見ていこう。分解には引き続きモノづくりのためのコワーキングスペースDMM.make AKIBAで行い、電機メーカーや部品メーカー出身の技術スタッフの方々にご協力いただいている。

あえてニッケル水素2次電池を使用、売れ筋のDE35

 前回報告したLiDARとメイン基板は、2機種間に違いはほぼなかった。これに対して、電池では大きな違いがあった。高級機のDR95はLiイオン2次電池を採用しているのに対して、売れ筋低価格のDE35はニッケル水素2次電池を採用していた。これは一見、高級機種には性能もコストも高い電池を使い、普及機には機能は劣るが安価な電池を使っているだけのように見える。

DE35の電池カバーを外したところ。2次電池の両脇には取り外し用のテープが見えている(以下、撮影:加藤 康)
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 しかし、普及機のDE35は安価なニッケル水素2次電池を使いながら、Liイオン2次電池を使った高級機種のDR95よりも本体は小型になっている。しかも電池容量はDR95の2850mAhに対して、DE35は3000mAhと大きい。DE35は「電池容量が大きいので、広い家でも一気に掃除できる」とうたっている。

 しかも、掃除機本体の重さはほぼ同等である。もちろん電池自体は、DE35のニッケル水素2次電池の方が体積は大きく重さも約558gと重い。DR95のLiイオン2次電池は体積はDE35の電池の約6割ほどで、重さは約245gと小型軽量である。からくりは本体のバランスを取るためのと見られる重りにある。DR95は3個の重りを搭載しているのに対して、DE35は1個の重りしか搭載していない。DR95の重りのうち、電池と並べて配置された重りは約388gだった。これは、DE35とDR95の電池の重量差よりも大きい。つまりDE35では電池の種類を変えることで、重りを省いたうえにコストを抑えつつ連続使用時間は延ばす、という機能向上を実現したと言える。

DR95には3個の重りが搭載されていた(図の赤丸部分)。うち1個は、2次電池スペースの隣(掃除機の前方先端部分)に位置していた
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DE35にあった重りは本体後方の1個のみ(図の赤丸部分)。前方に重りはない。2次電池スペースがDR95に比べると大きい。
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