橋の中で最も過酷な環境に置かれるのが鉄筋コンクリート(RC)床版だ。疲労や塩害に悩むコンクリート床版の損傷を安く、速く、正確に検出する技術が登場。X線画像から鋼材の腐食を読み取り、残存する耐荷力を評価する試みも進む。

 交通荷重による疲労に凍結防止剤がもたらす塩害──。橋の部材のうち、最も過酷な環境に置かれるのがRC床版だ。車両の繰り返し荷重などで、ひとたび床版にひび割れが生じると、水が浸入してあっという間に床版上面のコンクリートが土砂化。舗装にポットホールが発生したり、対処が遅ければ床版が抜け落ちたりする。

■ 床版内部の損傷
道路橋の床版内に水が浸入すると、損傷が急激に進展する(写真:東京大学)
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 長持ちさせるには、床版の上側鉄筋に沿って生じる水平ひび割れや土砂化を早期に発見し、補修しなければならない。

 しかし、こうした損傷を見つけるのは簡単ではない。例えば、打音検査を実施するには舗装をはぎ取る必要があるので、長期の交通規制を要する。点検の担当者によって、結果にばらつきが生じやすいのも課題だ。

 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の下、東京大学生産技術研究所の水谷司特任講師が開発した「異常度診断プログラム」は、発見が難しかった床版内部の損傷を、安く、速く、正確に検出する技術だ。地下の空洞や埋設物の位置を特定するために使われる「地中レーダー探査」を応用した。

(イラスト:山田 タクヒロ)
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地中探査レーダーを取り付けた車両。幅2m超のアンテナから、電磁波を放射する(写真:東京大学)
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