従来は、はつり調査やコア抜きでしか分からなかったコンクリート構造物の劣化状況が、非破壊で調べられるようになってきた。塩分や鉄筋腐食などを探る新技術も登場している。

 橋やトンネルなどで5年に1度の近接目視を基本とする点検が2014年に義務化され、技術者が不足する市町村などの自治体職員は苦労が絶えない。彼らが特に頭を悩ませるのが、鉄筋コンクリート(RC)橋やプレストレスト・コンクリート(PC)橋をはじめとするコンクリート構造物の維持管理だ。

 鋼材とコンクリートという2つの異なる部材から成る構造物のため、検査対象も自然と多くなる。鋼材では位置やかぶり、腐食状況、コンクリートでは空隙の有無やひび割れの深さ、PCグラウトの充填程度といった具合に、劣化状況を判断するための指標が数多くある。

 そのうえ、構造物の対象数も多い。上部工にRCやPCなどを使ったコンクリート橋は、全橋梁の6割に上る。効率的かつ高い精度で点検・診断する非破壊技術の登場が待ち望まれている。

 これまで、コンクリートの圧縮強度を測るためのシュミットハンマーや、浮き・剥離を検出するための打音など、数々の非破壊検査法が確立されてきた。

■ 経年変化したコンクリートの主な検査・点検方法
「図解 維持・補修に強くなる(日経BP社刊)」から抜粋
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 ただし、一部の劣化指標ではいまだ、コア抜きやはつり調査など、ある程度の破壊を伴う検査手法が主流となっている。例えば、コンクリート中の塩分濃度は、コア抜きした試料を採取して調べるのが一般的だ。

 コンクリート中の塩化物イオン濃度が限界値を超えると鉄筋の不動態皮膜が破壊され、腐食が始まる引き金となる。塩分濃度はその危険性を把握するうえで重要な情報だ。しかし、コア抜き調査は分析に時間と費用がかかるうえ、構造物にダメージを与える恐れがある。そのため、現状では、構造への影響が少なそうな箇所に絞ったサンプリング調査にとどまっている。

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