「非破壊検査の原理は難解」と敬遠されがちだが、ポイントさえ押さえれば、それほど取っ付きにくい技術ではない。表面に出た傷を見落とさないことに特化した技術もあれば、構造物の内部を「見える化」するものもある。「コワサンジャー」の6人の隊員がそれぞれ持つ非破壊技術の“得意ワザ”を見ていこう。


赤外線/浅い位置にある空隙や剥離を見抜く

(イラスト:山田 タクヒロ)
[画像のクリックで拡大表示]

 可視光と比べて長い波長を持つ電磁波。工業製品やインフラの検査に広く使われる。物体の表面温度が高くなるほど、放射する赤外線のエネルギーは大きくなる。この性質を利用して遠隔で温度分布を測るのが「サーモグラフィー法」。コンクリートの場合、表面から約5cm以内の浅い位置にある空隙や剥離などを見抜ける。このほか、波長が比較的短い近赤外線を照射して、その反射波から物質の成分や濃度を分析する「分光法」もインフラ点検で採用が増えている。

主な対象:ひび割れ、剥離、亀裂


弾性波/空隙やひび割れを深い所まで探る

(イラスト:山田 タクヒロ)
[画像のクリックで拡大表示]

 地震波や音波、衝撃波など、物質の中を伝わる振動を表面から入力。その反射波の速度や振幅などをセンサーで計測し、解析結果から内部の空隙やひび割れを検出する。検査範囲が局所的である一方、深い所まで探れる特徴を持つ。コンクリートの場合、超音波法ならば厚さ1.5m程度、ハンマーなどで表面を打撃する衝撃弾性波法ならば同5m程度まで探査できる。鉄筋の影響を受けやすく、弾性波が鉄筋に伝播すると測定精度が下がる。

主な対象:ひび割れ深さ、空隙、剥離、グラウト未充填


光ファイバー/構造物内部のひずみを計測

(イラスト:山田 タクヒロ)
[画像のクリックで拡大表示]

 センサーの役割を果たす光ファイバーを構造物の施工時にあらかじめ埋め込んでおき、損傷があるかどうかを定期的にモニタリングする手法。光ファイバーとは、光が伝わる極めて細いガラス繊維のこと。構造物から伝わる力や温度変化などによってわずかに伸び縮みする性質を持つ。ファイバーに光を入射して、反射時間の変化などからひずみを計測する。構造物の内部で起こった変化を定量的に評価できるのが特徴だ。壊れやすいため、取り付けには注意が必要。

主な対象:鋼材ひずみ、温度変化、腐食

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら