10ギガビットイーサネット(10GbE)環境を整えたものの、いざ使ってみたらギガビットイーサネット(GbE)と変わらない。そんな時はデバイスドライバの初期設定を見直す必要がある。
初期状態では速度が出ない場合にまず確認したいのが「ジャンボフレーム」や「ジャンボパケット」と呼ぶ設定項目だ。例えば、1万3000円前後で買える台湾エイスーステック・コンピュータ(ASUSTek Computer)の低価格NIC「XG-C100C」では、デバイスドライバの詳細設定にある「Jumbo Packet」の項目で「9014 Bytes」を指定する。
当然、通信相手となるNICや途中にあるネットワーク機器もジャンボフレームに対応する必要がある。ジャンフレーム自体はGbEの普及で珍しいものではなくなり、2万円台で買える10GbEスイッチなど低価格な製品でもほぼ対応している。スイッチは設定不要だが、通信先のNASやサーバーのNICなどの設定値は通信元のNICとそろえておく。
イーサネットの仕様では、標準で最大1500バイトごとにデータを区切り「イーサネットフレーム」という単位で伝送する*1。10Mビット/秒や100Mビット/秒では問題なかったが、1Gビット/秒のGbEの頃から問題になり始めた。伝送するデータの容量に対してフレームの大きさが小さいため、フレームに区切ってやり取りするオーバーヘッドが無視できなくなってきたからだ。
そこでイーサネットフレームの大きさを1500バイト超に拡張したのがジャンボフレームだ。イーサネットの上位層で使うIPでの言い方で呼ぶとジャンボパケットとなる。読み書きするデータ量が同じであれば、単位時間当たりに処理するフレームの数が少なくなる。ヘッダーの処理とフレームごとに起こる「割り込み」処理が少なくなるため、CPU使用率の削減に効果がある。実データに対するヘッダーの割合も減り、実効速度が上がる。
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