前回は、EVはどの国で走行するかによって、ライフサイクル全体でのCO2排出量が大きく異なることを紹介した。これから分かるのは、EVの比率を増やせば環境問題は解決するといったような、単純な議論ではないということだ。自動運転技術にも同様のことがいえる。現在完成車メーカー各社が開発を競っている自動運転技術は、2030年以降には“当たり前”の「汎用技術」になる可能性がある。

 各社は人間のドライバーを必要としない「完全自動運転」を目指しているが、仮にその技術が実現した場合、各社の自動運転技術は同じような機能を備えたものとなり、差別化が難しくなると考えられるからだ。つまり、自動運転技術の開発に成功すれば、それで競争に勝てるという単純な議論ではなくなる可能性が高い。

 こう考えてくると、現在の“EVブーム”や“自動運転ブーム”はやがて収束し、真の競争軸がその後に浮かび上がってくるはずだ。今はブームに惑わされず、現在起きている事柄を冷静に分析し、判断することが要求されている。

 そうしたことからアビームコンサルティングは、一時的なEVブーム、自動運転ブームに踊らされることなく、自動車産業において今後、何が本当の競争軸になるのかを導き出すことが重要だと考えている。そのためには、グローバルで見た日本の自動車産業の強みを再確認し、逆に海外の完成車メーカーがなぜ、この連載の第1回で紹介したCASEのような切り口で勝負を挑んでくるのか、その意図を分析することが必要となる。

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