前回は無線LANの標準規格IEEE802.11ax(802.11ax)にオプションとして規定された1024QAM(Quadrature Amplitude Modulation)に対応するための回路の低雑音化技術について解説した。最終回となる今回は、東芝が独自に開発した、電子レンジに代表される無線LAN以外の妨害信号を検出できる干渉認識システムを中心に解説する。ちなみに干渉認識システムについてはIEEEでは規定されていない。後半では、試作したLSIの性能評価にも言及する。

 802.11axではOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)として複数STA(端末)の同時通信時による高スループット化が可能となる。一方、他の無線機器や電子レンジなどが混在する環境下では、スループットが低下する恐れがある。これらの機器が発する電波が妨害信号になって無線LANの信号品質を劣化させることがあるからだ。しかしながら802.11axでは無線LAN以外の信号に対する干渉の対策は規定されていない。

 この課題を解決する手段として電波の混雑状況を観測する干渉認識技術が期待されている。干渉認識の際に、観測した妨害信号がどの機器で発生しているかは重要な情報の1つである。しかし、従来の干渉認識技術注1)ではその判別に誤りが発生することがあった。

注1)従来手法では、電力の時間変化の形や、50Hzや60Hzといった電源周波数の検出によって電子レンジを認識していた。そのため、温める対象に応じて、高速にオンとオフを切り替えるような高機能インバーター型電子レンジの認識は難しかった。

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