今回は、電子技術者を抱える新興家電メーカーを中心に、小規模企業が電子技術者に求める役割を探る。ここでは新興家電メーカーとして、アイリスオーヤマとエスキュービズムを取り上げる。

 電子技術者の活躍の場が小規模メーカーの間に広がっている。象徴的な例が、新興の家電メーカーが、大手電機メーカーから電子技術者を積極的に採用していることだ。

 新興の家電メーカーは、大手電機メーカーとは異なる視点で製品を企画し、需要をつかんでいる。電子技術者を社内に抱え、特徴的な開発手法を製品企画に生かして市場での存在感を高めている企業も少なくない。

小組織で迅速に

 ここでは新興家電メーカーとして、アイリスオーヤマとエスキュービズムを取り上げる。いずれも数十人規模の電子技術者を抱えている。売り上げ規模こそ前者は数百億円、後者は数十億円と、大手電機メーカーが主力とする事業部より小さいが、成熟したようにみえる国内家電市場で成長を続けている。今後も成長に見合う数の電子技術者を採用していく。

 新興家電メーカーは、組織の小ささが強みだ。意思決定のプロセスを簡素かつ迅速にして、技術者のアイデアをいち早く市場に投入できるようにする(図1)。例えば家電なら、身近な課題を解決できる製品の開発に技術者の発想を直結させる。技術者に求められる資質は、技術に関する専門知識の深さよりも、企画から販売までに携われる幅の広さと言える。

図1 小規模メーカーは素早く意思決定し課題を発掘して開発
(a)小規模な電機メーカーは、少ない階層の組織で意思決定を速めている。(b)技術者自らに顧客(消費者など)の課題を発掘させて、販売計画にまで関わらせる傾向も強い。課題解決型の製品をいち早く市場に投入できる。
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