PCの応答速度が大きく向上するSSDへの換装

 SSDは、フラッシュメモリーを記憶媒体として利用するストレージの一種である。記憶媒体に磁性体を塗布した円盤を採用し、これを高速回転させて小さなヘッドで読み込むHDDと比べると、読み書きの速度が圧倒的に高速であることが特徴となる。

 また、HDDのように稼働する部品がないので、動作中のPCに振動を加えてもトラブルは発生しない。こうした特性もあり、モバイルノートPCではSSDを搭載するモデルが増えている。読み書き性能の高さを活かす意味で、最近では高性能なデスクトップPCでも採用例が増えてきた。

軽量薄型のモバイルノートPCでは、大半のモデルがSSDを搭載する。写真は512GBのSSDを搭載するASUS JAPANの「ZenBook 13 UX331UAL」
(出所:ASUS JAPAN)
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 SSDの中でも一般的な2.5インチSSDは、ノートPCに組み込まれる2.5インチHDDとサイズもインタフェースの形状も同じだ。そのため、2.5インチHDDを搭載するノートPCなら、そのまま2.5インチSSDに差し換えて高速化できる。デスクトップPCは、ひと回りサイズが大きい「3.5インチHDD」を搭載していることが多い。ただ、ここ数年のデスクトップPCは、3.5インチHDD用のスペースに2.5インチデバイスも取り付けられるようになっていることが多い。この場合はSSDへの換装は容易だ。

 ただし換装の可・不可や可能な場合の難易度は機種によって異なるので、実行する場合は事前に確認しよう。また、メーカーによっては「工場で預かってHDDをSSDに交換するサービスを提供している」(マウスコンピューター)といった対応をしている。こうしたサービスの有無を確認してみるのもよい。

ノートPCなら、HDDが組み込まれていたスペースからHDDを取り出し、そこにSSDを組み込むだけでいいことがほとんど
(撮影:竹内 亮介)
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 試しに5年ほど前のノートPCに搭載されていた2.5インチHDDを、2.5インチSSDに差し換えてみると、HDDの時は4分近くかかっていた起動時間が1分以内に激減。また1つひとつの操作に対する応答性が大幅にアップし、古かったPCが最新モデルに生まれ変わったような印象すら受ける。

レノボの「ThinkPad T420」で、システムディスクをHDDからSSDに換装する前の性能
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レノボの「ThinkPad T420」で、システムディスクをHDDからSSDに換装すると、読み書き性能は大幅に向上した
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 とはいえ、SSDへの換装はデメリットもある。同じ容量で比べると、SSDはHDDよりはるかに高いからだ。例えば2.5インチHDDの場合、1TBモデルの実勢価格は8000円~1万円前後。これが2.5インチSSDだと3万円~4万円前後になってしまう。500GBなら1万3000円~1万5000円台と値頃感があるのでお勧めだが、HDDの時と比べるとシステムストレージの容量が少なくなってしまい、今までのようにはファイルを保存できなくなってしまうことに不満を感じるようになるユーザーもいるだろう。

 これを解決するのが、外付けドライブやオンラインストレージサービスを利用してファイルを移動するテクニックだ。SSDへの換装によるメリットは理解しつつも、コスト面で不満を持ちそうなユーザーは、一度検討してみるとよい。

ストレージが遅い根本原因は別にあることも

 ストレージが遅い原因は1つではない。中にはストレージとは別のところに根本的な原因が存在することもある。マウスコンピューターは、「32ビットOSは搭載できるメモリー容量に4GBという上限があるため、アプリケーションを複数起動しているとHDDへのデータスワップが発生して動作が緩慢になることがある」と説明する。この場合の不満解消策は、まずOSでメモリーを多く消費しているアプリを確認し、それを使っていなければ停止・削除するというもの。HDDの容量不足などによりスワップの動作が遅くなることがあるので、不要なファイルの削除などを案内することもあるという。現在はWindows 10の64ビット版が主流になっているため、古ければ買い替えを検討するのも1つの考え方だろう。