異業種による宇宙ビジネスへの参入や投資が進んでいる。その中で一際目を引く企業が、化粧品メーカー大手のポーラ・オルビスホールディングス(HD)だ。同社は、宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2018」の実行委員会を務め、宇宙ベンチャーと投資家を結ぶ「宇宙ビジネス投資マッチング・プラットフォーム(S-Matching)」の会員企業としても参画している。

 人の「美しさ」を追究する同社は、拡大する宇宙ビジネス市場にどのような期待を抱いているのか。その狙いについて、グループ執行役員である末延則子氏(ポーラ・オルビスHD グループ研究・薬事センター担当 執行役員 マルチプルインテリジェンスリサーチセンター所長 兼 ポーラ化成工業 取締役執行役員 研究・企画担当 フロンティアリサーチセンター所長)と、宇宙ビジネスの情報収集や社外との連携を担当するポーラ・オルビスHD マルチプルインテリジェンスリサーチセンター キュレーションチームの平井優子氏に話を聞いた。

(聞き手:内山 育海=日経 xTECH)


化粧品メーカーであるポーラ・オルビスが、宇宙ビジネスに関心を持ったきっかけを教えてください。

平井 ポーラ・オルビスグループは、化粧品開発の枠を超えた新しい研究価値の創造を目指して、2018年に研究体制を刷新しました。2029年にグループが創業100周年を迎えることもあり、10~20年後に向けた長期的な視点で、異分野の情報や技術を受け入れる取り組みを進めています。

 我々が宇宙ビジネスに関心を持ったのは、今後拡大する市場を調査する中で、宇宙の技術やデータが他産業の発達を促す「イネーブラー」として期待を集めていることを知ったのがきっかけです。化粧品業界は宇宙とは直接の関連性がなさそうに思われますが、例えば、宇宙の特殊な環境が皮膚に与える影響や、宇宙技術の化粧品開発への応用のような新しい切り口で、研究開発の発想の転換に役立てられるのではないかと考えています。

左から、ポーラ・オルビスHDで宇宙ビジネスの情報収集などを担当する平井優子氏、宇宙を含む新領域の研究開発を主導する執行役員の末延則子氏
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末延 最近は様々な領域で破壊的なイノベーションが起こり、業界の主役交代や異業種参入が当たり前になっています。化粧品業界も例外ではありません。太古の昔から続いてきた化粧動作や化粧品が、30年後には消えているかもしれないのです。そんなときに私たちはどのように人の美しさを高めるお手伝いをしていけるのか。宇宙を切り口にすれば、既成概念を取り払った全く新しいアイデアが生まれてくる可能性があると思います。

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