同じ業界に長くいる人には、その業界の非効率さが見えにくいもの。建設業界に新ビジネスの芽を見いだしたベンチャー企業4社のトップに、「建設業界の仕事の進め方」に感じる違和感を語り合ってもらった。

(写真:都築 雅人)
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まずはそれぞれ起業のきっかけを教えてください。

久保田修司 私はトラスという設計者向けに建築材料を検索するサイトの運営会社を2014年に設立しました。学生時代に建築家の藤森照信先生に教わっており、新しい建材の活用などに興味がありました。卒業後は丸紅に入社して海外で浄水場の建設などに携わりました。欧州の整然とした街並みを見て、「日本でも未整理な建材を効率よく選ぶことができれば、街並みを変えられるのではないか」と考え起業しました。

呂俊輝 私は父がデザイナーだったこともあり、昔から職人やクリエーターを支えるビジネスがやりたかった。シェルフィーという会社を立ち上げ、設計・施工会社と店舗改装などの発注者をマッチングするウェブサービスを提供しています。実は2度目の起業です。再挑戦は変革が1番難しそうな業界にしたいと考え、建設業界を選びました。

 この業界では実際に何かを生み出す人が、その価値ほど認められていません。そして、他の業界ではITで当たり前に解決する課題が手付かずのまま放置されている。2020年東京五輪に向けて動きが大きな業界だと感じて14年にシェルフィーを設立しました。

青木隆幸 ソラビトという会社を14年に立ち上げ、中古建設機械の国際オンライン取引サイト「オールストッカー」を運営しています。私は父が建設業のため、建機が身の回りにある世界で育ちました。愛知県の会社でしたが、国内のいろいろな場所に中古建機の買い付けに付いて行きました。ただ、中古流通はちょっと怖い世界だなと…。

 目利きのバイヤーが中古建機の仲介をするのですが、業界の不透明さに疑問を感じていました。父の仕事を手伝っている際に、南米のチリなど海外の顧客と接する機会がありました。日本の建機が海外で求められていることを肌で感じ、それならば「分かりやすい流通プラットフォームをつくろう」と考えました。

稲田武夫 私は全く建設業界とは違う業界で働いていました。前職はリクルートです。ITに明るくない業界を訪ねて、効率改善に貢献する仕事をしていました。「産業界からもIT業界からも期待される会社をつくりたい」という思いが募り、6年間勤めたリクルートを退職して12年にオクトを立ち上げました。大きな市場規模があり、IT導入によってインパクトのある変化を起こせる業界として、建築に興味を持ちました。

 ちょうどそのころにリフォーム会社の現場監督と知り合い、「現場管理に困っている」という話を聞いたことが、スマートフォン(スマホ)で使える施工監理アプリを作成するきっかけになりました。

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