建築家の中村拓志氏が率いるNAP建築設計事務所。ホテルや富裕層向け住宅を中心に設計の依頼が相次ぎ、所員は40人を数える。給与や手当てなどの待遇向上、執務環境の整備など、所員への投資は惜しまない。VR(仮想現実)やSNS(交流サイト)を積極的に活用し、設計プロセスの効率化を図ることで時短も推進する。

 より広いオフィスを求めて東京・白金にNAP建築設計事務所が移転したのは2017年1月。所員はこの2年で10人ほど増え、現在40人を数える。電気会社の工場と倉庫だった建物を改修したオフィスは3階建て。2~3階をスタッフの執務空間に充てている。1階はキッチンを備える大きなミーティングスペースだ。月に1回は所員が集まり食事会を行う〔写真1〕。

〔写真1〕皆が集まって食事会
東京・白金に位置するオフィスでの花見を兼ねた食事会の様子。元工場を改修し、1階はオープンキッチンを備えたミーティングスペースとした(写真:ナカサアンドパートナーズ)
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NAP建築設計事務所のオフィス外観。周辺は小規模な工場が残るエリア。電気会社の工場と倉庫だった3階建ての建物を改修した(写真:日経アーキテクチュア)
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 「食事会をしながらグループリーダー(GL)が担当プロジェクトから学んだ知見、どんな失敗があったかを説明する。重要な情報を共有するナレッジマネジメントの一環だ」と、NAP建築設計事務所の中村拓志代表は説明する。

 始業前、自主清掃を終えた新人に中堅が加わり、約15人がこの場で無料の朝食を取る。「遅刻率が下がるとともに、コミュニケーションが向上した。日中も皆が代わる代わるコーヒーを飲みに下りてきて会話を交わす」と、中村代表はこの場の手応えを語る。

 契約前も含めて現在、進行中のプロジェクトは33件。ホテルや富裕層向けの住宅に受注をなるべく絞っている。今でもスタッフが10人ほど足りないという状況で、いい人材を確保するため、投資は惜しまない。

 「月給を最大限払ったほうが皆いい仕事をしてくれる。ひいては自分の手もかからなくなる」(中村代表)。例えば、GLクラスには、月給37万以上と賞与を支給。さらに立場に関係なく、結婚手当て、子ども手当て(子ども1人当たり)をそれぞれ月2万円支給する。

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