10年以上前から、働き方改革に取り組む大和ハウス工業。まず導入したのが「ロックアウト制度」だ。予定の退社時間になるとパソコンの電源が自動で落ちる。事前に1週間の予定を立てるとともに、毎日実績を入力する。各事業所を、労働時間当たりの利益で評価し、賞与額に反映するなど、業績と連動させることで、時短をさらに促す。

 プロジェクトごとに用途も規模も異なる設計事務所に比べ、住宅会社は効率化が図りやすいといえるだろう。大和ハウス工業は2004年から、残業時間の短縮をはじめとした働き方改革に取り組んでいる。社内システムを活用して、社員が自発的に働き方を見直せるよう促すものが中心だ〔図1〕。

〔図1〕健康経営に向け4点を強化
時間管理や休暇取得、健康に対する社員一人ひとりの意識を改革した。時間当たりの生産性を評価し、ワークライフバランスの確保を目指している(資料:右の画像2点は大和ハウス工業)
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 最初に取り入れたのが「ロックアウト制度」だ。事前に設定した退社時間にパソコンの電源が自動的に落ちる。全社では午後9時までに残業を終わらせて帰ることを推奨している。「各自が時間をコントロールする意識を持つようになったことが最大の効果。決まった時間で効率的に作業を進める意識が高まり、残業時間は毎年着実に減ってきている」と、同社技術本部の松浦恭久次長は語る。

 事前に1週間の予定を立てて作業時間を申請し、毎日実績を入力して確認する。労働時間を正確に把握したうえで、事業所ごとに時間当たりの利益で評価し、賞与額に反映する。

 長時間労働の是正は個人の力だけでは実現しない。残業時間が一定の基準を超える場合は、本人と上司に自動的に警告メールが送られる。即座に作業計画の見直しや作業の分担などの対策を促すことが目的だ。

休暇制度の充実で働きやすく

 有給休暇の取得率も評価に加えた。3カ月に1度取得することを義務付け、登録状況をシステム上で管理する。「ホームホリデー」と名付けて、プライベートを大事にするよう促すとともに、事前に登録させることで上司と相談しやすくなる効果も狙った。

 育児や介護を仕事と両立するための時短勤務や休暇の制度も整えている。育児休暇は子どもの年齢が3歳までの社員を対象とし、育児・介護休業法で定めている1歳未満より長い。また、育児のための勤務制度も手厚い。通常の勤務時間は午前9時から午後6時までだが、時差出勤や2時間分までの短縮が可能だ。小学4年生までの子どもを持つ社員を対象にしている。

 介護も同様に時差出勤や時短勤務が可能。さらに休業期間には制限を設けていない。介護のための帰省には、年4回を上限に交通費を支給する。

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