IT・家電ジャーナリストの安蔵 靖志さんはデジタル家電や生活家電取材のスペシャリスト。そんな安蔵さんに「最近売れているキッチン家電」とそれが売れてる理由を解説してもらうのがこの連載だ。今回取りあげるのは「低温調理器」である(日経 xTECH編集部)。

 鍋にお湯を張る、材料を入れる、棒状の器具を入れる、あとはじっくり待つ…。こんな風に調理を行う新ジャンルのキッチン家電をご存じだろうか?。鍋は普通の鍋を使うのだが、ガスコンロやIHクッキングヒーターで加熱するのではなく、この棒状の調理機器が温度をコントロールする仕組みになっている。

調理法は適当な容器にお湯を張り、素材を入れたプラスチックバッグを沈めるだけ
(出所:葉⼭社中)
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 調味料で味付けした肉や魚などの材料を「ジップロック」のような密閉できるファスナー付きプラスチックバッグに入れて中の空気を抜き、鍋のお湯の中に浸けて調理する。「わざわざそんな七面倒くさいことをしなくてもいいんじゃないの? それで何ができるの?」と思われる人も多いだろうが、料理好きの人の中でまずクチコミで広がり、ネットで火が付いて人気が急上昇しているのだ。

 この棒状のキッチン家電こそが「低温調理器」である。海外製品では米Anova(アノーバ)の「Anova Precision Cooker」などが人気を博す。最近では国内でも葉山社中の「BONIQ」、富士商の「Felio スーヴィードクッキング」など、初めて名前を聞くようなメーカーも含め、さまざまな企業から製品が登場し、注目を集めている。

Anova「Anova Precision Cooker - WIFI 2nd Gen」
25℃から99℃まで0.1℃単位で、99時間までのタイマー設定が可能。Wi-Fiを利用してスマホアプリと連携し、アプリで遠隔操作したり調理状況を確認したりできる(実勢価格2万800円)
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葉山社中「BONIQ」
5℃から100℃まで0.5℃単位の温度設定と、1分から99時間59分までのタイマー設定が可能。現在入荷待ちの人気となっている(実勢価格1万9800円)
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富士商「Felio スーヴィードクッキング」
0℃~99℃まで0.5℃単位の温度設定と、1分から99時間59分までのタイマー設定が可能(実勢価格1万4500円)
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 どの製品も機能や形も似たり寄ったり。価格も1万5000円~2万円強と手頃だ。なぜこの製品が売れているのか?それを理解するために、低温調理とはどういうものなのか。料理にその調理法を使うとどのような魅力が生まれるのを説明する。低温調理器の人気の秘密を探っていこう。

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