1990年代後半から2000年代前半、独自技術を採用し、クライアント/サーバー型のアプリケーション開発を効率化するためのツールがブームになった。それから約20年。クラウドやモバイル活用が当たり前になった今、そうしたアプリケーション開発ツールは進化を続けている。一世を風靡したあのツールは今、どう姿を変え、活用されているのか。その最前線を伝える

 今から約20年前にWindows環境向けに、クライアント/サーバー(C/S)型アプリケーションを開発するツールとして普及したのが「PowerBuilder」だ。PowerBuilderは、4GL(第四世代言語)とも言われる独自のスクリプト言語「PowerScript」を利用し、「データウィンドウ」と呼ぶデータベース(DB)接続向けの開発機能を持つ。

 SQLを扱えないエンジニアでも、データウィンドウを使ってDB接続を開発できる点などが評価され、普及していった。「中堅中小企業から大企業まで、長年利用しているユーザーが多いことが特徴。ユーザー数はここ数年ずっと横ばいの状況だ」と国内の総代理店を務める日本コンピュータシステム(NCS)の唐澤浩IT事業本部 第3事業部 営業部長は話す。

 長年、PowerBuilderを利用している1社が、NCSの親会社でもあり、介護施設向けパッケージ「ほのぼの」を開発・販売するNDソフトウェアだ。C/S型からWebへとユーザーのニーズが移り変わる中で、同社は10年以上、PowerBuilderを使い続けている。

 その理由は「生産性の高さだ」とNDソフトウェアの山口孝弘執行役員 ICT事業部長は強調する。「介護の場合、3年に一度大きな制度改定がある。一方でその詳細が決まるのは1~2カ月前。最短では1カ月で新制度に対応する改修が必要になるため、高い生産性は非常に重要だ」と山口執行役員は説明する。

 PowerBuilderを使い続ける中で2000年代半ば、NDソフトウェアはある問題に直面した。それは顧客である行政側から、Web版の開発が求められるようになったことだった。PowerBuilderのままでは、Web版は開発できない。

 そこでNDソフトウェアは様々な選択肢を検討する中で、PowerBuilderの開発元に助言を求めた。その結果、PowerBuilderで開発したC/S型アプリケーションをWebに変換するツール「PowerServer Web」を紹介され、そして採用を決めた。「Webだからといって開発生産性を落とすわけにはいかない。そう考えての決断だった」と山口執行役員は話す。

NDソフトウェアはPowerBuilderで開発したアプリをWebに変換している
(画像提供:NDソフトウェア)
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