1990年代後半から2000年代前半、独自技術を採用し、クライアント/サーバー型のアプリケーション開発を効率化するためのツールがブームになった。それから約20年。クラウドやモバイル活用が当たり前になった今、そうしたアプリケーション開発ツールは進化を続けている。一世を風靡したあのツールは今、どう姿を変え、活用されているのか。その最前線を伝える。

 1990年代後半から2000年代前半にかけて多くの企業が利用していたグループウエアがある。米IBMが開発・販売する「Notes/Domino」だ。電子メールやカレンダー、掲示板などのコミュニケーション機能を備えるだけでなく、ワークフロー管理や検索機能を使ってITに詳しくないユーザーがアプリケーションを開発できることが、Notes/Dominoの特徴だ。

 「大手銀行を中心に、EUC(エンド・ユーザー・コンピューティング)を実現できるとして採用が進んだことが、普及のきっかけだった」と日本IBMの松浦光コラボレーション&タレント ソリューション事業部 第一テクニカルセールス部長は話す。

 Notes/Dominoの開発会社であった米ロータス(Lotus)が米IBMに買収されたのが1995年。パートナー戦略などの観点からロータス日本法人は2002年まで残りNotes/Dominoの販売を続けた。そしてその後、日本IBMが国内での販売を引き継いだ。

 2000年代前半にはグループウエア機能を中心にしたクライアント/サーバー(C/S)型アプリケーションの開発ツールとして発展してきたNotes/Dominoだが、「その後、開発や販売が停滞していた時期があった」と松浦部長は振り返る。

 「買収によって開発会社が変わったことや、グループウエア市場の競争激化で、シェアやパートナーが奪われる時期もあった」(松浦部長)のだ。さらにグループウエアのクラウド化が進み、「グループウエアの観点から見ると、競合製品に押されたケースもあった」(同)という。

  現在のNotes/Dominoのメジャーバージョンは「9.0」で、出荷は2013年2月だ。9.0を発表した時点でNotes/Dominoの製品名から旧開発会社である「Lotus」の名称が消えた。そこから4年8カ月の間、次の主要バージョンの発表がなく、ユーザーから心配の声が挙がっていた。「Notes/Dominoにとって重要なのは、ユーザーが開発したアプリケーション。これを重視して製品戦略や販売戦略を考えている」と松浦部長は強調する。

グループウエア機能を利用しない開発

 製品の開発が停滞する中、「グループウエア機能を利用しないNotes/Dominoの開発に注目している」と話すのが、Notes/Dominoを使ったシステム開発を得意とするケートリック(東京・品川)の田付和慶社長だ。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら