1990年代後半から2000年代前半、独自技術を採用し、クライアント/サーバー型のアプリケーション開発を効率化するためのツールがブームになった。それから約20年。クラウドやモバイル活用が当たり前になった今、そうしたアプリケーション開発ツールは進化を続けている。一世を風靡したあのツールは今、どう姿を変え、活用されているのか。その最前線を伝える。

 「カード型データベース(DB)ソフト」。こう呼ばれ、簡易なアプリケーションの開発ツールとして20年前に導入が進んだのがFileMakerだ。「用途は個人の住所録から、業務部門のアプリケーション構築など幅広い」とファイルメーカーの荒地暁マーケティング部 FileMakerコミュニティ&ビジネスデベロップメント シニアマネージャーは話す。

 今でも手軽に開発できるカード型DBの印象はあるが、2004年5月発売の「FileMaker Pro 7」で、1つのDB内に複数のテーブルを持てるようになり、「より大規模なシステムが開発可能になっている」(荒地シニアマネージャー)。

 そして今、FileMakerが機能強化に注力するのが、スマートフォン、タブレット向けアプリケーションの開発機能だ。特に親会社である米アップルが提供するiOSについては、「毎年バージョンアップを実施し、iOSの新機能を使った開発を可能にしている」と荒地シニアマネージャーは話す。

 iPhoneやiPadなどのモバイル端末からFileMakerで開発したアプリケーションにアクセスする場合は、「FileMaker Go」と呼ぶ無料のスマホアプリを利用する。デスクトップ版のFileMakerで開発したアプリケーションを、サーバー版の「FileMaker Server」に配置し、FileMaker GoからFileMaker Serverにアクセスする仕組みだ。

FileMakerで開発した「iPad Pro」向けのアプリケーションの画面例
(画像提供:ファイルメーカー)
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FileMakerで開発した「iPad Pro」向けのアプリケーションの画面例
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 ここ数年のバージョンアップでは、iOSが持つBLE(Bluetooth Low Energy)通信を利用したビーコン「iBeacon」や、動画を再生しながら別のウィンドウを操作できる「ピクチャ・イン・ピクチャ」といった機能を利用したアプリケーションを開発できるようになった。

 2017年7月にはAmazon Web Services(AWS)上で稼働するFileMakerのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)「FileMaker Cloud」の提供も始めた。「自らパブリッククラウドにインストールして利用するユーザーも多く、クラウドでの利用も進んでいる」と荒地シニアマネージャーは話す。

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