日経AutomotiveのDisassembly Report「電池を後席下に置き、運動性能高める トヨタ自動車『アクア』(下)」の転載記事となります。

 燃費を徹底的に追求したアクアでは、車体を軽くするために高張力鋼板の適用率を上げている。高張力鋼板の割合はホワイトボディー全体で約57%に達し、そのうち超高張力鋼板をサイドシル、センターピラーなど約12%に採用している(図7)。

図7 高張力鋼板の採用例
高張力鋼板(赤)はホワイトボディー全体の約57%に採用。引っ張り強さが900MPa以上の超高張力鋼板はサイドシル、センターピラーなど全体の約12%に採用した。

 また、ハイブリッド車両独特の剛性強化も実施した。ボディー後部では、センターピラーから後方のセンターフロア部分を新たに設計。さらにリア・クロス・メンバーを追加して、電池収納スペースを構成した。駆動用電池の搭載による質量増加に対応して、ボディー後端部を補強したり、トレーリングアーム取り付け部にブレースを加えるなど、リアサスペンション周辺の剛性強化を実施。リア開口部も補強材を加え、スポット打点を増加させている。

 シャシー関連は、ブレーキの協調回生制御がハイブリッドシステムを備えるアクアの特徴の一つだ。トヨタは協調回生ブレーキに、「ECB(Electronically Controlled Brake)」と呼ぶ“ブレーキ・バイ・ワイヤ”機構を採用した。このシステムは、ブレーキペダルの踏み込み量に比例してブレーキ油圧を発生させるのではなく、ストロークシミュレーターで反力を発生させながら、モーターの回生力を最大限に活用して減速させるものである(図8)。

図8 協調回生ブレーキ用ペダル
協調回生機能を実現するECB(Electronically Controlled Brake)機構用のペダル。

 システムの中核を成すのは、二つのユニットである。一つは、ブレーキアクチュエーター、ストロークシミュレーター、ECU(電子制御ユニット)を一体化したユニットだ〔図9(a)〕。そして、もう一つはブレーキブースター用油圧ポンプとアキュムレーター(蓄圧室)である〔図9(b)〕。

図9 協調回生ブレーキシステム
(a)ブレーキアクチュエーター、ストロークシミュレーター、ECUを一体化したユニット。左側がブレーキペダルにつながる。ブレーキペダルの踏み込み量をストロークシミュレーターで検知して、ECUでモーターの回生量やブレーキ油圧を統合制御する。(b)前述のユニットに油圧を送り込むブレーキブースター用油圧ポンプとアキュムレーター。

 前者は、ブレーキペダルと直結したオペレーティングロッドやマスターシリンダー(ピストン)を持つ。ここで、実際にブレーキにかける油圧を制御し、モーターによる回生を主にする場合は油圧をできるだけかけないようにする。

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