半導体関連製品の巨大な消費地であり、今後は同技術のイノベーションをリードするともされる中国。その中国・江蘇省昆山市の昆山金陵大飯店で、半導体および最先端の半導体応用を必要とするディスプレーをテーマとした国際カンファレンス「Display & Semiconductor Innovation China 2019/Kunshan」(以下、DSIC 2019)が、2019年11月12日に開催された(主催は、昆山市人民政府、中国光学光電子行業協会液晶分会、日経BP)。DSICは、今回が初めての開催。中国、日本、台湾から約25人の講師を招いたカンファレンスには、300人を超える聴講者が来場。朝9時に開始した特別講演・技術講演から、夜に開催したネットワーキングパーティーに至るまで、技術者の熱気に包まれた1日となった。

会場は300人以上の聴講者の熱気に包まれた
(写真:DSIC 2019主催者提供)
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 米ベル研究所がトランジスタを発明してから70年余りが過ぎ、半導体技術は情報化社会に必須の機器を生み出し続け、情報化社会の進展の原動力となってきている。これから5G/IoT/AIの実用化をけん引し、さらには「CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)」に表現されるモビリティー社会を実現していく上では、さらなる半導体技術の進展が必要となる。

 こうした中で、半導体関連製品の巨大市場である中国には、さらなる市場拡大とともに、半導体技術のイノベーションをも先導することが期待されている。DSIC 2019はこのような背景を受け、半導体技術およびディスプレーに関して、現在の技術レベルを明らかにするとともに、今後を議論する場として設けられたもの。中国昆山市政府や中国光学光電子行業協会液晶分会などの主催で開催された。

中国政府が後押し、半導体産業で発展する昆山市

 中国は、半導体の巨大な消費地でありながら、これまではその多くを輸入に頼っていた。中国政府は、このような状況を打破すべく、半導体製品の国産化を目指し、半導体メーカーを中国国内で育成するという目標を掲げている。

 その中で、昆山市は半導体産業の集積地としての発展を目指している。「インターネットやビッグデータ、人工知能などの新しい科学技術が台頭する中で、昆山市は現地化という優位性を十分に利用して、半導体産業において発展するチャンスをつかむ」――。カンファレンスの冒頭に主催者代表として聴講者に歓迎の意を表した中国共産党昆山市委員会常務委員、昆山開発区党工委、管理委員会 副書記/副主任の沈一平氏は、そのスピーチの中で、こう述べた。

沈一平氏
(写真:DSIC 2019主催者提供)
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 また、続いて登壇した中国光学光電子行業協会液晶分会 常務副理事長/秘書長の梁新清氏は、中国のディスプレー業界を代表して、まずは中国がパネル出荷量で世界の45.5%を占めていると、同業界が順調に成長していることをアピール。その上で、「中国が製造大国から製造強国に発展する上では、パーツの内製化が非常に重要になる。昆山市は、電子情報産業の基盤がしっかりしており、中国内で初めてディスプレーのサプライチェーンの集積地を作り出した。昆山市は中国だけでなく全世界のディスプレー産業の発展に大きな貢献をした」と、昆山市の優位性や役割について言及した。

梁新清氏
(写真:DSIC 2019主催者提供)
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