「まちイノベーションCENTER」が現在、活動の中心に据えているのが地方創生推進交付金を活用した地域の取り組み支援である。そうした支援活動を通じて、2019年3月29日に決定した、2019年度の地方創生推進交付金(第1回)の交付対象事業を前年と比較してみると、以下に示すような幾つかの傾向が見えてきた注1)

注1)日経BPのシンクタンクである日経BP総研は2018年夏、自治体の「まちづくり」の取り組みを総合的にサポートする組織「まちイノベーションCENTER」を発足させ、地方創生に関する支援サービスを推進している。

地方創生に取り組む自治体間で“温度差”

 内閣府地方創生推進事務局が公表した資料によると、全国各地の自治体から申請された地方創生事業(先駆タイプ・横展開タイプ)のうち計1935件が採択され、採択総額は589億円となった。採択された事業のうち新規事業は542件、採択額は151億円。継続事業は1393件、採択額は437億円となっている。

 2018年度の同交付金(第1回)と比べると、採択件数は13%減となったが、採択総額は2%の微減である。ただし、内訳をみると新規事業が件数で70%増、採択額は116%増と大幅に増加。一方、継続事業は件数で27%減、採択額は18%とともに減少した。2016年に申請した交付対象事業のうち、横展開(3年)で採択された事業が終了し、新たに事業申請を行った自治体が増えたことがうかがえる。

 また、新規事業の1件当たりの採択額が2201万円から2786万円に増加しており、新たに取り組む事業の規模が拡大する傾向も見て取れる。さらに採択された事業を細かく見ていくと、複数の事業を申請している自治体と、まったく申請をしていない自治体があることも分かる。地方創生に取り組む自治体の間で“温度差”が生じているようだ。

表1●2019年度と2018年度の地方創生推進交付金(第1回)の交付対象事業数と採択額(資料:内閣府)
2019年度(第1回)交付対象事業数(件)採択額(億円)
合計都道府県分市区町村等分合計都道府県分市区町村等分
しごと創生1,007333674367200167
地方への人の流れ4341043301145262
働き方改革98306822129
まちづくり39646350862660
合計1,9355131,422589290299

2018年度(第1回)交付対象事業数(件)採択額(億円)
合計都道府県分市区町村等分合計都道府県分市区町村等分
しごと創生1,118316802359192167
地方への人の流れ502874151204873
働き方改革1353798261511
まちづくり48143438952868
合計2,2364831,753601282319
※各分野の数値を四捨五入しているため、合計した数値が合計欄の数値と合わない場合がある。
表2●2019年度と2018年度の地方創生推進交付金(第1回)の新規事業の交付対象事業数と採択額(資料:内閣府)
2019年度(第1回)
新規事業
交付対象事業数(件)採択額(億円)
合計都道府県分市区町村等分合計都道府県分市区町村等分
しごと創生265104161885138
地方への人の流れ15043107381920
働き方改革271017743
まちづくり100148617413
合計5421713711517873

2018年度(第1回)
新規事業
交付対象事業数(件)採択額(億円)
合計都道府県分市区町村等分合計都道府県分市区町村等分
しごと創生1525696382117
地方への人の流れ7719581679
働き方改革21714312
まちづくり689591339
合計31891227703337
※各分野の数値を四捨五入しているため、合計した数値が合計欄の数値と合わない場合がある。
表3●2019年度と2018年度の地方創生推進交付金(第1回)の継続事業の交付対象事業数と採択額(資料:内閣府)
2019年度(第1回)
継続事業
交付対象事業数(件)採択額(億円)
合計都道府県分市区町村等分合計都道府県分市区町村等分
しごと創生742229513279149130
地方への人の流れ28461223753342
働き方改革7120511486
まちづくり29632264692247
合計1,3933421,051437212225

2018年度(第1回)
継続事業
交付対象事業数(件)採択額(億円)
合計都道府県分市区町村等分合計都道府県分市区町村等分
しごと創生966260706322171151
地方への人の流れ425683571044163
働き方改革1143084231310
まちづくり41334379832458
合計1,9183921,526532249282
※各分野の数値を四捨五入しているため、合計した数値が合計欄の数値と合わない場合がある。

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