IoT住宅を実現するIoT家電が続々と登場している。現時点で実用化されているIoT家電の中で、「使えるIoT家電」は何なのだろうか。中古マンションのリノベーションを手掛ける、リノベるで「IoT住宅」を担当する石井千尋氏によれば、IoT照明やスマートロック、AIスピーカー、Wi-Fi学習リモコン、ロボット掃除機が人気だという。

 では、逆に“使えなかった”IoT家電はあるのだろうか。実は海外でIoT家電の代表格とされる「温湿度計」は意外にも不人気だったとのこと。温湿度計はいわばサーモスタットとして、エアコンなどと連携するので便利とされているが、「自動調整機能が使われず、手動操作してしまう例が多かった」(石井氏)。理由として、例えば夏にずっと在宅していた人は室内を十分涼しいと感じても帰宅したばかりの人はまだ暑く感じるなど、室温と各個人の体感温度に差があることが考えられるという。

残念ながら人気がなかったという温湿度計(写真中央の銀色の円筒形のもの)。こうした機器を設置する可能性が高いため、作り付けのテーブル下にはACアダプター受けを用意している。ちなみに、右はユカイ工学の「BOCCO」で、AIスピーカーの台頭により設置希望者が減っているようだ
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 また、希望者が多い割に使われなかったというのが「ペット用見守りカメラ」。ペットが大好きで「仕事中も様子を見たい」と意気込んで使い始める人もいたものの、カメラの取り付け位置によってペットが見えなかったり、ずっと寝ているだけだったりすることが多く、モニター試験では全員が使わなくなってしまったという。

 「ペットに異常があった場合に早く知るためのもの」と考えれば、出番がないことこそ「見守り上は良かった」と言える面もあるだろう。また最近は、ペットの状態をスマホに通知したり、スマホからの操作でおやつをあげられたり、併せて家族や不審者を検知してくれたりと、ペット用見守りカメラも多機能化が進んでいる。現時点あるいは今後の製品ならば、飽きずに使える製品もあるかもしれない。

 このほか、植物の水分状態を知らせてくれる「植物管理機器」や、廃棄時にゴミのバーコードを読み取ることで欠品をチェックする「IoTゴミ箱」なども不評だったという。前者は水の不足が分かっても自分で水を与える必要があり、水やりをするのであれば水不足かどうかは大体見れば分かるようになるとのことだった。水やりまで全自動にすると水栓直結が必要になり、手軽な機器での実現は難しい。後者は、牛乳や卵といった常備品に加えてたまにしか買わないものまで欠品として認識されてしまい、意外に使いづらいとのことだった。

 また、IoT住宅システムと言えばほぼ登場する監視カメラについても、同社は中古マンションのリノベーションを対象とするため、あまり需要はないという。玄関廊下はインターホンのカメラ機能で用が足りてしまう上に、ベランダ側も低層階を除くとあまり取り付けを希望する人はいないとする。

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