毎日の食事では、当たり前のようにおいしい白ご飯を食べていた筆者だが、ある日、米に対する認識が驚くほど大きく変わった。それは、東洋ライスの社長である雜賀さんから話を聞く機会があったからだ。

 白ご飯のおいしさを決めるのは、ずっと、農家が作った米の品質と、ご飯を炊く技術だけだと思っていたが、実は玄米を加工する精米という工程にも大きく影響されているという。収穫した籾(もみ)から籾殻を取ったのが玄米。我々が毎日食べているのは、米糠(ぬか)が残っている玄米から糠と胚芽を取り除いた白米だ。雜賀さんによると、「糠」という文字は、米へんに「康」という字を書くが、この「康」という字は「健康」の「康」である。糠には健康になるための栄養要素がたくさん含まれていることは、大昔から知られていたが、現代人はそれを取り除いてしまった白米を食べているというのだ。

 今回は、米への計り知れない情熱を持ち、生薬としての米の復活を目指す、東洋ライスの社長であり、発明家でもある雜賀さんを紹介する。雜賀さんが発明した石抜き機、無洗米、金芽米という三大発明がなかったら、おいしくかつ栄養満点で生薬としての機能を持ったご飯を食べられるなどとは、誰も思いつかなかっただろう。米文化の発展にも技術の力が欠かせない。その素晴らしい技術力から、我々技術者へのヒントも検討してみる。

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