「異能」ともいえる際立った能力や実績を持ち、まわりから一目置かれるエンジニアを1カ月に一人ずつ取り上げ、インタビューを掲載する。今月取り上げるのは、ゲーム開発環境「Unity」の日本での普及の立役者である大前広樹氏。以前はゲーム開発企業でプログラマーとして活躍していた。今回はUnityの普及活動に関わるようになったきっかけから日本法人での取り組みを聞いた。

(聞き手は大森 敏行=日経 xTECH/日経NETWORK


前回から続く)

 自分の会社でUnityを使ってゲームを開発しているときにも、米国のゲーム開発イベント「Game Developers Conference(GDC)」に参加していました。当時は新バージョンであるUnity 3が出るということで、米ユニティ・テクノロジーズがGDCにブースを出していました。

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 そこでブースでユニティの社員をつかまえてあれこれ質問しました。「この機能はどうなるんだ」とか「この問題は直るのか」とか「このあたりはマシになるのか」とか。1~2時間くらいは話をしていたと思います。

 すると、米国本社で「やたら熱心な奴が日本にいるらしいぞ」という話になったようです。創業者のデイビッド・ヘルガソンと当時のビジネスのトップであるトニー・ガルシアが日本のゲーム開発イベント「CEDEC 2010」でUnity 3.0を紹介するのに合わせて、日本のユーザー事例を紹介してほしいとコンタクトがありました。

 ついでにいい通訳がいないかと聞かれたので、ぼくが知っている一番いい通訳の方を紹介しました。その方は今でも日本最大のUnity関連イベントである「Unite Tokyo」で同時通訳をしていただいています。

 CEDECに先立つ2010年8月末、日本で最初のUnityの講演がアップルストアで行われました。その後に日本でのUnityの普及活動をどうすればいいかと話していたときに、デイビッドとトニーから「君がやらないか」と言われました。

 最初は乗り気ではありませんでした。「ぼくはゲームが作りたくて会社を作ったのに、なぜ他人が作ったソフトウエアを売らなければならないのか」と思ったのです。営業職ではないので営業のようなこともしたくありませんでした。

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