「異能」ともいえる際立った能力や実績を持ち、周りから一目置かれるエンジニアの素顔に迫る。今月は、ニュース閲覧アプリ「SmartNews」の生みの親であり、SmartNewsのサービスを運営するスマートニュースの共同CEOを務める浜本階生氏。今回は、プログラミングに夢中になった中高生時代からSmartNewsの開発に至るまでを聞いた。

(聞き手は大森 敏行=日経 xTECH/日経NETWORK)


前回から続く)

 小学校のときに先生に見せてもらったプログラムの強烈な印象は、ずっと頭に残っていました。その記憶が、鮮明にプログラミングの欲求に変わったのが中学生のときです。

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 中学校に入ったときに配られた技術家庭科の教科書にプログラミングのコーナーがありました。教科書に載っていたプログラムを見たときに「あ、小学校のときに担任の先生が見せてくれたやつだ」と思いました。そのプログラムを入力したくてたまらなくなりました。

 幸い、中学校にはパソコン室があったので、放課後に行って教科書の通りに打ち込んでみました。すると小学生のときに見せられたようにちゃんと動きます。それ以降、放課後や休み時間などあらゆる空き時間にパソコン室に行くようになりました。これが自分のプログラミングの初期体験です。

 その頃は自分の家にはパソコンがありません。学校のパソコン室が唯一、自分がプログラミングできる場所でした。図書館でプログラミングに関連した本を少しずつ借りて読み、手探りで知識をつけていきました。僕は無口で休み時間になると真っ先にパソコン室に飛んで行く感じだったので、同級生からは怪しげに見えたと思います。

 基本的には地味な中学生活を送っていましたが、中学2年生か3年生のときの文化祭でうれしいことがありました。例年の文化祭は、クラスメートがわいわいがやがやと出し物を考えているのをよそに、僕はずっとパソコン室にこもっていました。

 ただ、その年の文化祭では一念発起して、自分も何か出し物をやろうと考えました。個人が企画を申請することもできたのです。僕は当時、ゲームを作っていたので、自分が作ったゲームの大会を開くことにしました。

 文化祭では図書室を借り、そこにパソコン室からパソコンを持ち込んでみんながゲームで遊べるようにしました。それが文化祭の人気プログラムになりました。それまで僕に見向きもしなかった人たちが「面白い、面白い」と言って遊んでくれます。「すごいな、お前」のような感じで声をかけられました。

 しかも、文化祭が終わった後も、みんなが自分の教室にフロッピーディスクを持ち帰って、僕が作ったゲームを引き続き遊んでいました。自分が作り出したものがここまで他の人に使われているということに、強い衝撃と感激が混ざり合ったような気持ちになりました。

 作ったのは落ち物パズルゲームです。当時の中学校にあったパソコンはものすごく古くて、貧弱なスペックではそうしたゲームは通常だとまともに動きません。C言語とアセンブラで何とか工夫して、低いスペックのパソコンでも快適に動くゲームを作りました。

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