「異能」ともいえる際立った能力や実績を持ち、周りから一目置かれるエンジニアの素顔に迫る。今月は、ヤフーのスーパーコンピューター「kukai」の開発を主導した角田直行氏。コミュニティー活動にも積極的で、月に1回の勉強会を15年近く続けている。今回は、kukaiの開発の経緯や目的、ソフトウエア開発に関わるようになった経緯などを聞いた。

(聞き手は大森 敏行=日経 xTECH/日経NETWORK)


 今所属しているのは、データ&サイエンスソリューション統括本部(略称D&S)という部署です。そこでテクニカルディレクターという技術的なマネジメントの仕事をしています。人工知能(AI)やビッグデータといったデータ周りを担当している部署になります。この部署では、Hadoopのようなビッグデータを処理するシステムやサービス向けのAI、レコメンデーションや広告最適化、ディープラーニングなどを専門的に取り扱っています。この統括本部には約400人の社員がいます。

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 統括本部の配下には、データプラットフォーム本部、サイエンス本部、研究を行うYahoo! JAPAN研究所、スマートスピーカーなどIoTに取り組むスマートデバイス本部、データを軸に新規ビジネスを創出する事業開発本部があります。テクニカルディレクターは、それらの本部に共通する技術的な問題を扱います。

 統括本部ができたのは2015年4月ですが、その前身としてデータを扱う部署のデータソリューション本部がありました。その前身はデータソリューション開発部でした。今の統括本部の前身が本部、さらにその前身となるのが開発部ということです。私は開発部ができた2012年ごろからずっと携わっています。

 統括本部はかなり大きなくくりなので、細かい1個1個のタスクが設けられているというよりは、全社的な技術課題を統括本部単位で管理する仕事になります。例えばD&S内で開発しているシステムのアーキテクチャーをレビューしたり、システムの相談を受けたりしています。事業部門間の連携が必要なときに技術的な調整をすることもあります。

「半年でスパコンを作れ」と命じられる

 kukaiは業務の一環というよりは、あくまでサブプロジェクトという位置付けです。本業のテクニカルディレクターのほうが日々の業務は多いです。ただ最近は本業でkukaiに関わる機会も増えてきました。

 当初はプロジェクトとして進めていたわけではなく、業務の合間に技術調査をしていて、その中でAIやディープラーニングに関する技術を調べていました。ヤフーがディープラーニングを大規模に適用しようとするときには、それを動かすインフラが課題になります。それに対する打ち手として、ディープラーニングに最適な環境は何なのかという視点で2015年ごろに技術調査を進めていました。

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